書評
『断貧サロン』(河出書房新社)
第2作も奇妙な集団登場
著者の谷川直子さんが文芸賞を受賞したのは2年前になる。『おしかくさま』という小説。ATMを守り神と仰ぐ奇妙な集団がおかしくて、ずっと笑いながら読んでいた。小説第2作も、やはりユーモア小説だ。主人公のエリカは、30歳のキャバ嬢。イケメンの彼、シュウくんに貢物をしているうちに、借金がかさんでしまい、幼馴染(なじみ)のさえちゃんの家に転がり込む。さえちゃんは、エリカが都会で効率よく稼いでいる間、まったく生活を変えることなく、薬局の店番をして、親から月3万円をもらって暮らしている。
すごくイケてない人たちの話のようだが、読者は歯切れのよい文章に引き込まれる。
それと、もう一つ。この小説にも「BHK(貧乏神被害者の会)」なる奇天烈(きてれつ)な集団が登場する。集団を構成しているのは、かつて完璧な顔を持つ男たちと付き合ったことのある愛すべき女たち。むろん、エリカもシュウという貧乏神と別れるべく、「断貧サロン」に通うことになる……。
谷川さんには、奇妙な集団への独特の嗅覚がある。天賦の才というべきか。
ALL REVIEWSをフォローする

































