書評

『台湾軍事機密文書が語る中国「抗日戦争」の真相』(新潮社)

  • 2026/05/11
台湾軍事機密文書が語る中国「抗日戦争」の真相 / 遠藤 誉
台湾軍事機密文書が語る中国「抗日戦争」の真相
  • 著者:遠藤 誉
  • 出版社:新潮社
  • 装丁:新書(224ページ)
  • 発売日:2026-04-17
  • ISBN-10:4106111225
  • ISBN-13:978-4106111228
内容紹介:
台湾で、「抗日戦争」当時の国民党の前線報告が機密指定から解除された。そこには、「国共合作」したはずの中国共産党による、日本軍との共謀の事実が「これでもか!」というほど報告されてい… もっと読む
台湾で、「抗日戦争」当時の国民党の前線報告が機密指定から解除された。そこには、「国共合作」したはずの中国共産党による、日本軍との共謀の事実が「これでもか!」というほど報告されている。日本軍の力を使って蔣介石をやっつけ、天下を取ることを目指していた毛沢東戦略が、否定できないほど明確に裏付けられたのだ。本邦初公開の毛沢東・スターリンの往復電報集と併せて、「抗日戦争」の真の姿を描く。

【目次】

序章 台湾で機密解除された電文集

第一章 中共軍は日本軍と水面下で不可侵条約を結んでいた
一 【電文1248号】の内容
二 電文に関係する地図と戦場の状況
三 中共軍は傀儡政権と結託し、日本軍からも武器弾薬を購入していた

第二章 便衣で日本軍の道案内をする中共軍
一 【電文1488号】の内容
二 中共軍便衣隊と日本軍との結託――【電文1489号】【電文1490号】

第三章 日ソ中立条約を予感させる戦場報告
一 山西省の八路軍と日本軍はすでに暗黙の合意
二 【電文1362号】当時の軍事情勢地図から読み解く
三 「日ソ中立条約」締結と「中共軍と日本軍の結託」の深化

第四章 日本軍に紛れるために日本語を学ぶ中共軍
一 【電文1640号】の内容
二 「日本軍、成りすまし」事件が起きた戦場地図
三 中共軍の日本軍「成りすまし」の目的は?
四 中共軍は系統的に日本語学習をしていた

第五章 「薄熙来の父」薄一波は何をしていたのか
一 電文【1282号】の内容
二 交戦時の人物基本情報
三 交戦時の地図を参照しながら考察
四 薄一波と江沢民

第六章 蒋介石がもし逃亡先に海南島を選んでいたら
一 【電文1607号】の内容
二 戦場における人物基本情報
三 戦場における地図による電文解読
四 もし蒋介石が海南島に逃げていたら

第七章 「中国共産党は抗日戦争の中流砥柱(主力)だ!」 の虚構
一 「中国共産党は抗日戦争の中流砥柱」の由来
二 『毛沢東選集』第三巻、「中条山会戦」記述の欺瞞
三 中共軍の狙いを見破った日本軍の記録『戦史叢書』
四 「大公報」:日本軍と共産軍はもともと互いに攻撃しない
五 習近平はこの言葉を2014年に学芸員の説明で知ったのか

第八章 解除された毛沢東とスターリンの間の機密電文集
一 西安事変の首謀者は毛沢東だった
二 国共合作中の国共両軍の相克
三 日ソ中立条約の裏でスターリンは毛沢東に満州進撃支援を依頼

終章 台湾はまだ国共内戦の延長線上にある
一 毛沢東「金門島を国共内戦の象徴として残せ」
二 習近平の台湾統一戦略は「台湾包囲大規模軍事演習」
三 「台湾有事」に関する「高市発言」によって悪化した日中関係
≪中国共産党は抗日戦争の中流砥柱(しちゅう)(主力)だ≫。習近平のスローガンで、元は毛沢東の言葉。真っ赤な嘘(うそ)である。中国共産党は日本軍と結託しむしろ国民党と戦っていた。

台湾国史館のデジタルアーカイブが抗日戦争期の軍事機密電文を公開した。それを著者が読解。毛沢東の「721方針」は党拡大に70%、国民党の対応に20%、抗日戦に10%の力を注げとした。共産党軍は日本軍と協定し、攻撃されない。両軍で国民党軍を挟み撃ちしたりした。日本の軍服で日本語を話し、日本軍を装って国民党軍を攻撃しさえした。

本書は重要情報が山盛りだ。西安事変の主役は張学良でなく毛沢東。薄一波は江沢民が親日スパイの子と知りつつ彼を鄧小平に推薦、息子の薄煕来(きらい)をよろしくと頼んだ。スターリン~毛沢東~蔣介石の国際政治の駆け引きも電報からよくわかる。

中国は対日カードに歴史を持ち出すが、歪曲(わいきょく)しているのは当の中国。本書が参照するような史料は国がデータベースにして中国語、日本語、英語で読めるようにすべきだ。中国の人びとも助かるだろう。学問と外交のイロハを教えてくれる遠藤誉氏にいくら感謝しても足りない。
台湾軍事機密文書が語る中国「抗日戦争」の真相 / 遠藤 誉
台湾軍事機密文書が語る中国「抗日戦争」の真相
  • 著者:遠藤 誉
  • 出版社:新潮社
  • 装丁:新書(224ページ)
  • 発売日:2026-04-17
  • ISBN-10:4106111225
  • ISBN-13:978-4106111228
内容紹介:
台湾で、「抗日戦争」当時の国民党の前線報告が機密指定から解除された。そこには、「国共合作」したはずの中国共産党による、日本軍との共謀の事実が「これでもか!」というほど報告されてい… もっと読む
台湾で、「抗日戦争」当時の国民党の前線報告が機密指定から解除された。そこには、「国共合作」したはずの中国共産党による、日本軍との共謀の事実が「これでもか!」というほど報告されている。日本軍の力を使って蔣介石をやっつけ、天下を取ることを目指していた毛沢東戦略が、否定できないほど明確に裏付けられたのだ。本邦初公開の毛沢東・スターリンの往復電報集と併せて、「抗日戦争」の真の姿を描く。

【目次】

序章 台湾で機密解除された電文集

第一章 中共軍は日本軍と水面下で不可侵条約を結んでいた
一 【電文1248号】の内容
二 電文に関係する地図と戦場の状況
三 中共軍は傀儡政権と結託し、日本軍からも武器弾薬を購入していた

第二章 便衣で日本軍の道案内をする中共軍
一 【電文1488号】の内容
二 中共軍便衣隊と日本軍との結託――【電文1489号】【電文1490号】

第三章 日ソ中立条約を予感させる戦場報告
一 山西省の八路軍と日本軍はすでに暗黙の合意
二 【電文1362号】当時の軍事情勢地図から読み解く
三 「日ソ中立条約」締結と「中共軍と日本軍の結託」の深化

第四章 日本軍に紛れるために日本語を学ぶ中共軍
一 【電文1640号】の内容
二 「日本軍、成りすまし」事件が起きた戦場地図
三 中共軍の日本軍「成りすまし」の目的は?
四 中共軍は系統的に日本語学習をしていた

第五章 「薄熙来の父」薄一波は何をしていたのか
一 電文【1282号】の内容
二 交戦時の人物基本情報
三 交戦時の地図を参照しながら考察
四 薄一波と江沢民

第六章 蒋介石がもし逃亡先に海南島を選んでいたら
一 【電文1607号】の内容
二 戦場における人物基本情報
三 戦場における地図による電文解読
四 もし蒋介石が海南島に逃げていたら

第七章 「中国共産党は抗日戦争の中流砥柱(主力)だ!」 の虚構
一 「中国共産党は抗日戦争の中流砥柱」の由来
二 『毛沢東選集』第三巻、「中条山会戦」記述の欺瞞
三 中共軍の狙いを見破った日本軍の記録『戦史叢書』
四 「大公報」:日本軍と共産軍はもともと互いに攻撃しない
五 習近平はこの言葉を2014年に学芸員の説明で知ったのか

第八章 解除された毛沢東とスターリンの間の機密電文集
一 西安事変の首謀者は毛沢東だった
二 国共合作中の国共両軍の相克
三 日ソ中立条約の裏でスターリンは毛沢東に満州進撃支援を依頼

終章 台湾はまだ国共内戦の延長線上にある
一 毛沢東「金門島を国共内戦の象徴として残せ」
二 習近平の台湾統一戦略は「台湾包囲大規模軍事演習」
三 「台湾有事」に関する「高市発言」によって悪化した日中関係

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初出メディア

毎日新聞

毎日新聞 2026年5月9日

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