書評
『ヤクザが消えた裏社会』(筑摩書房)
著者はヤクザの研究が専門で「暴力団博士」の異名をもつ。≪貧しい家庭に育ち…小学校にはほとんど登校≫せず、盛り場をうろつく≪不良になっ≫た。でもヤクザにならず二七歳で大学に入学。卒業後苦労し、大学院で犯罪社会学を学んだ。
平成4年の「暴力団対策法」、反社を定めた「平成19年政府指針」、平成22年からの「暴力団排除条例」、と締めつけが強まる。ヤクザは収入源を断たれ居場所も奪われ、組員も減って絶滅寸前だ。代わりに「半グレ」「トクリュウ」など新手の犯罪集団が一般市民を食い物にする。悪人が去って極悪人がやって来た。
著者は、組織を離れた「元暴」や更生中の少年らを取材し、現行制度の欠陥を指摘する。ヤクザは組を離れても5年間は銀行口座もクレカも作れず賃貸契約も結べず、就職も困難。どう社会復帰しろと言うのか。やむなく組織に戻ったり半グレになったり、再犯に至る例もままある。
人間の生きる権利が、刑法ならぬ地方自治体の条例で奪われる。憲法違反でないのか。更生を支援せず暴力団を忌避しても、かえって犯罪がはびこるだけだ。裏社会に精通する廣末氏ならではの提言に傾聴だ。
平成4年の「暴力団対策法」、反社を定めた「平成19年政府指針」、平成22年からの「暴力団排除条例」、と締めつけが強まる。ヤクザは収入源を断たれ居場所も奪われ、組員も減って絶滅寸前だ。代わりに「半グレ」「トクリュウ」など新手の犯罪集団が一般市民を食い物にする。悪人が去って極悪人がやって来た。
著者は、組織を離れた「元暴」や更生中の少年らを取材し、現行制度の欠陥を指摘する。ヤクザは組を離れても5年間は銀行口座もクレカも作れず賃貸契約も結べず、就職も困難。どう社会復帰しろと言うのか。やむなく組織に戻ったり半グレになったり、再犯に至る例もままある。
人間の生きる権利が、刑法ならぬ地方自治体の条例で奪われる。憲法違反でないのか。更生を支援せず暴力団を忌避しても、かえって犯罪がはびこるだけだ。裏社会に精通する廣末氏ならではの提言に傾聴だ。
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