書評

『死闘 昭和三十七年 阪神タイガース』(河出書房新社)

  • 2018/05/30
死闘 昭和三十七年 阪神タイガース / 塩澤 幸登
死闘 昭和三十七年 阪神タイガース
  • 著者:塩澤 幸登
  • 出版社:河出書房新社
  • 装丁:単行本(445ページ)
  • 発売日:2012-04-18
  • ISBN-10:4309909442
  • ISBN-13:978-4309909448
内容紹介:
名将藤本定義監督のもとに復活、じゃじゃ馬ヘッドコーチ青田昇の指揮下、タイガースが優勝した最強の黄金時代を再現。

優勝へのドラマ 生きいきと

本書は、決して阪神ファンだけのために、書かれたものではない。現に著者自身が、阪神ファンだったのは2年間だけ、と白状している。

この本は、2リーグ分裂以降初めて阪神が優勝した、昭和37年のシーズン戦を、克明に再現したもの。ただ単に戦績をたどるだけでなく、そこに展開された人間ドラマを、当時の新聞報道や回想記、インタビューなどによって、生きいきと再現する。小山と村山の、ライバル関係の裏話。名三塁手三宅秀史が、練習中に逸(そ)れ球を顔面に受け、結果的に野球生命を絶たれたいきさつ。阪神ばかりでなく、他球団の名選手、たとえば2日連続先発して、2試合とも完封した大洋の剛腕秋山の話など、今では信じられないような逸話が、満載されている。プロ野球のオールドファンには、こたえられない本だ。

当時のプロ野球にあって、今のプロ野球にないものは、当時の日本にあったのに、今の日本にないもの、とはまさに著者の至言。
死闘 昭和三十七年 阪神タイガース / 塩澤 幸登
死闘 昭和三十七年 阪神タイガース
  • 著者:塩澤 幸登
  • 出版社:河出書房新社
  • 装丁:単行本(445ページ)
  • 発売日:2012-04-18
  • ISBN-10:4309909442
  • ISBN-13:978-4309909448
内容紹介:
名将藤本定義監督のもとに復活、じゃじゃ馬ヘッドコーチ青田昇の指揮下、タイガースが優勝した最強の黄金時代を再現。

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初出メディア

朝日新聞

朝日新聞 2012年6月17日

朝日新聞デジタルは朝日新聞のニュースサイトです。政治、経済、社会、国際、スポーツ、カルチャー、サイエンスなどの速報ニュースに加え、教育、医療、環境、ファッション、車などの話題や写真も。2012年にアサヒ・コムからブランド名を変更しました。

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