都甲 幸治KOJI TOKO
公式サイト: http://kojitoko.blogspot.com/
翻訳家。著書に『今を生きる人のための世界文学案内』(立東舎)、『狂喜の読み屋』(共和国)、訳書にフィッツジェラルド『ベンジャミン・バトン数奇な人生』(イースト・プレス)、チャールズ・ブコウスキー『勝手に生きろ!』(河出書房新社)、ジュノ・ディアス『オスカー・ワオの短く凄まじい人生』(新潮社)など。もっと読む
「自治の感覚」の源、粘り強く思索とにかく写真が良い。収録されている写真はどれも何げない。だがそこには沖縄の光と、風と、匂いが捉えられている…
ありのままのこの世界こそ神秘聖なるものとは何か。神秘は存在するのか。その問いを胸に、著者はフィリピンのシキホール島へ行く。黒魔術の島とも呼…
弱さこそ恵みとなる詩の原理声には力がある。第一次大戦で聴力を失った祖父の従軍記を、青年になった著者は書き付けようとする。だが途中で止めてし…
答は一つではない 無限の対話へ突然心を病む。本が読めない。なぜ自分がこうなったのか。答えもないまま著者は病院に入る。だが彼はそこで発見をす…
ガンの宣告を受ける。もう助からないという。田舎町からソウルに出て大学に行き、就職して、結婚もせずに十五年間ひたすら頑張ってきた。ならば自分…
支配者も飲みこむ暮らしの厚み天使が人々を見守る。死者たちの列が通り過ぎる。森の中を悪い何かがうろつく。けれどもこれは、遠い古代の話ではない…
見えないものたちの声を聞く「いしいしんじ祭」に参加したことがある。神奈川の漁港、三崎でのことだ。かつてここに住んでいた彼の名を冠したこの祭…
自分の中の「他者」と付き合う起きられない。とにかく痛い。今まで使っていた体が突然、意思に従わなくなる。そうした体とどう付き合えばいいのか。…
本気の遊びで、言葉に魂をこの世でいちばん大事なのは正直であることだ、と言われて否定する人はいない。だがどうだ。金持ちは力を振るい、美人は得…
回帰する傷ついた少女らの記憶自分がどういう人間かは自分がいちばんよく知っている。我々はふだん、そう思って生きている。けれども、その思いはい…
消えた町、戦争と暴力の記憶女装ホームレスのアリシアが、再開発で消え去った町、コモリを言葉で蘇らせる。そこに立ち現れるのは、いないことにされ…
愚痴を言うな、人に頼るな。競争社会で勝つために、僕らはそう言われてきた。けれどもそれだけでは生きられない。人に触れ、優しさを与え合うことが…
河原で女の腕が発見される。そして公園では脚が。バラバラ殺人か。しかし警察の捜査は難航する。それもそのはずだ。被害者は我々の住む、この世界の…
我々はサリンジャーの何を知っていたのだろうか。2010年に彼が91歳で亡くなってから初めて刊行された伝記である本書を読むと、そう自分に問いかけざ…