『有罪者―無神学大全』(現代思潮新社)
澁澤 龍彦
この本を要約することなどは到底不可能であるし、解説することもさらに無意味であろうと思う。バタイユの哲学を神秘主義と言っていいかどうかは疑問…
書評
東京大学文学部フランス文学科卒業後、マルキ・ド・サドやジャン・コクトーらの著作を翻訳するかたわら、美術評論や中世の悪魔学などのエッセイ、独自の幻想小説など、幅広いジャンルで旺盛な執筆活動を展開した。『唐草物語』で泉鏡花賞、『高丘親王航海記』で読売文学賞を受賞。著作や翻訳は『澁澤龍彦全集』(全22巻・別巻2)、『澁澤龍彦翻訳全集』(全15巻・別巻1)、ともに河出書房新社)に収録されている。1987年没。
この本を要約することなどは到底不可能であるし、解説することもさらに無意味であろうと思う。バタイユの哲学を神秘主義と言っていいかどうかは疑問…
「美は存在の力である。客観性の保証である。悪は魅惑する力である。佯(いつ)はりの、人工と巧智の限りをつくして、人を魅き、憑き、天外へ拉し去…
[isbn:4309961568]去年の六月(事務局注:執筆時時期は1983年前後?)、雑誌「ユリイカ」でシュルレアリスム特集が行われたとき、求められて一文を草…
最近、大江健三郎の『日常生活の冒険』を読み、次いで石原慎太郎の『行為と死』を読んだが、いろいろな意味で、この若い世代のホープと目される二作…
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