(1928-1987)東京生まれ。本名龍雄。作家、翻訳家。東京大学文学部フランス文学科卒業後、マルキ・ド・サドやジャン・コクトーらの著作を翻訳するかたわら、美術評論や中世の悪魔学などのエッセイ、独自の幻想小説など、幅広いジャンルで旺盛な執筆活動を展開した。『唐草物語』で泉鏡花賞、『高丘親王航海記』で読売文…もっと読む
- 『有罪者―無神学大全』(現代思潮新社)澁澤 龍彦
この本を要約することなどは到底不可能であるし、解説することもさらに無意味であろうと思う。バタイユの哲学を神秘主義と言っていいかどうかは疑問…
書評 - 『美の襲撃―評論集』(講談社)澁澤 龍彦
「美は存在の力である。客観性の保証である。悪は魅惑する力である。佯(いつ)はりの、人工と巧智の限りをつくして、人を魅き、憑き、天外へ拉し去…
書評 - 『シュルレアリスムと芸術』(河出書房新社)澁澤 龍彦
[isbn:4309961568]去年の六月(事務局注:執筆時時期は1983年前後?)、雑誌「ユリイカ」でシュルレアリスム特集が行われたとき、求められて一文を草…
書評 - 『行為と死』(新潮社)澁澤 龍彦
最近、大江健三郎の『日常生活の冒険』を読み、次いで石原慎太郎の『行為と死』を読んだが、いろいろな意味で、この若い世代のホープと目される二作…
書評 - 『日常生活の冒険』(新潮社)澁澤 龍彦
この小説のなかには、いろんな現代風のテーマの議論が出てくるが、全体的な印象からいえば、形而上学的でもなければ哲学的でもなく(また、それにふ…
書評 - 『山師カリオストロの大冒険』(岩波書店)澁澤 龍彦
この本の著者、種村季弘氏はかつて『詐欺師の楽園』という、とほうもなく面白い本を書いた。今度は山師である。まあ、詐欺師も山師も似たようなもの…
書評 - 『新編 銀河鉄道の夜』(新潮社)澁澤 龍彦
戦争中に少年時代を送った私などと同じ年代に属する者には、片山明彦扮するところの『風の又三郎』の映画の記憶が、忘れがたく染みついていることだ…
書評 - 『瘋癲老人日記』(中央公論新社)澁澤 龍彦
食事とか、薬とか、病気とかいうものは、もともと極端に抽象的なものであって、さればこそ、それだけの材料から小説を組み立てるということは、なま…
書評 - 『午後の曳航』(新潮社)澁澤 龍彦
三島氏自身が好んで使う言葉を利用させてもらえば、この小説は、「夢想というものの重いイローニッシュな響き」に全篇みちみちた小説である。戦後、…
書評 - 『ザ・ヌード―裸体芸術論・理想的形態の研究』(美術出版社)澁澤 龍彦
かねて名著として聞こえていたケネス・クラーク卿の『ザ・ヌード』は、私も仏訳によって親しみ、時に評論などを書く際に参考としてページを繰ったも…
書評 - 『山猫』(河出書房新社)澁澤 龍彦
フェデリコ・フェリー二の映画『甘い生活』のなかに、古い血統を誇るイタリア貴族の後裔が、数世紀をへた薄暗い大理石の城館のなかで、気ちがいじみ…
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