書評

『1969―新宿西口地下広場』(新宿書房)

  • 2017/10/03
1969―新宿西口地下広場 / 大木 晴子,鈴木 一誌
1969―新宿西口地下広場
  • 著者:大木 晴子,鈴木 一誌
  • 出版社:新宿書房
  • 装丁:単行本(255ページ)
  • 発売日:2014-06-01
  • ISBN-10:4880084387
  • ISBN-13:978-4880084381
内容紹介:
新宿西口地下広場にフォークゲリラがいた。"若者の叛乱"から一九七〇年代へ。映画『地下広場』から徹底的に読み解く一九六九年という転回する時代。

迫る「広場の政治」の高揚感

日本では諸外国と異なり、首都に「広場」と名のつく空間が少ない。有名な広場といえば、皇居前広場と新宿西口地下広場ぐらいだろう。どちらも、政治的な集会が何度も開かれながら、警官隊や機動隊に強制排除されたのを契機に、広場の性格が大きく変わった。その年は、前者が血のメーデー事件が起こった1952年、後者が69年だった。

69年の集会はフォークゲリラと呼ばれた。本書には、当時の模様が克明に記録された映画がDVDとして付いている。現在と一見変わらない新宿西口地下広場が若者たちで埋まり、討論の輪が生まれたと思えば、機動隊が彼らに催涙弾を浴びせて追い払おうとする。日本の現代史のなかで定着することのなかった「広場の政治」の高揚感が、見る者に迫ってくる。

特に大学生に本書を強く薦めたい。そして本書を読んだら、新宿西口地下広場に足を運んでみてほしい。雑踏のなかから、45年前の光景が浮かび上がるはずだ。
1969―新宿西口地下広場 / 大木 晴子,鈴木 一誌
1969―新宿西口地下広場
  • 著者:大木 晴子,鈴木 一誌
  • 出版社:新宿書房
  • 装丁:単行本(255ページ)
  • 発売日:2014-06-01
  • ISBN-10:4880084387
  • ISBN-13:978-4880084381
内容紹介:
新宿西口地下広場にフォークゲリラがいた。"若者の叛乱"から一九七〇年代へ。映画『地下広場』から徹底的に読み解く一九六九年という転回する時代。

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初出メディア

朝日新聞

朝日新聞 2014年8月10日

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