書評

『感じない子どもこころを扱えない大人』(集英社)

  • 2017/11/23
感じない子どもこころを扱えない大人  / 袰岩 奈々
感じない子どもこころを扱えない大人
  • 著者:袰岩 奈々
  • 出版社:集英社
  • 装丁:新書(203ページ)
  • 発売日:2001-07-01
  • ISBN:408720099X
内容紹介:
子どもも大人も「感情」を上手に扱えなくなっている。特に怒り、落ち込み、不安といったネガティブな気持ちに対応ができない。このことが学級崩壊や少年たちの衝撃的な事件を生んだり、大人の社会でもさまざまな困ったコミュニケーションをひき起こしているように思える。かつて家族のなかで自然に行なわれていた、気持ちを取り扱うための訓練-これからは教育の場で、家庭で、意識的にこころのトレーニングをしなくてはならない。子どもたちの発する気持ちのSOSにどう答えるか、大人の感情トラブルをどう解決するか、実践的なこころの扱い方読本である。
例えばもし子供に「私、みんなから嫌われているの?」と聞かれたらどう答えるか。「そんなことないよ」と否定すれば心のモヤモヤが霧散するとは限らない。でもそう言われた以上、子供は自分の感情を封印するしかない。何を聞いても「別に」「分からない」と言う子供が増えたのは、大人に原因があるのではないか。そして大人自身、自分の中のマイナス感情を押し殺してはいまいか。

著者は教育相談員の経験もある心理カウンセラー。自分の感情との向き合い方、相手の気持ちの受け入れ方を分かりやすく解説。オビには「『こころの力』を育てる。」とある。「今の社会には、ネガティブな気持ちを持つことが許されない風潮がある。だからみんな苦しくなる。そうした感情をあえて表明する必要はないけれど、心の中で持っているのはかまわない、無理やり否定しなくていいと著者は言っています」と当時の担当編集者、池田千春さん。

01年の刊行だが、この7年間地道に売れ続けてきた(ALL REVIEWS事務局注:本書評執筆時期は2008年3月)。今年2月に女性客層に強い横浜のブックスサガ長津田店で大きく仕掛けたところ、1カ月で120冊超と、郊外型書店としては異例の販売部数に。そこから他の書店にも広まっていった。

読者層は半数以上が女性で、育児中の親や教育関係者の読者が多いようだが、「大人同士のコミュニケーションの参考にもなる。人間関係づくりの本としても読むことができます」と、書籍販売部の橋本美紗子さん。チェック項目や練習問題など読者が参加できる要素が多数あり、読者が自ら考えるようにうながす。自分の感情や思考のクセに気づく、よいきっかけとなる。
感じない子どもこころを扱えない大人  / 袰岩 奈々
感じない子どもこころを扱えない大人
  • 著者:袰岩 奈々
  • 出版社:集英社
  • 装丁:新書(203ページ)
  • 発売日:2001-07-01
  • ISBN:408720099X
内容紹介:
子どもも大人も「感情」を上手に扱えなくなっている。特に怒り、落ち込み、不安といったネガティブな気持ちに対応ができない。このことが学級崩壊や少年たちの衝撃的な事件を生んだり、大人の社会でもさまざまな困ったコミュニケーションをひき起こしているように思える。かつて家族のなかで自然に行なわれていた、気持ちを取り扱うための訓練-これからは教育の場で、家庭で、意識的にこころのトレーニングをしなくてはならない。子どもたちの発する気持ちのSOSにどう答えるか、大人の感情トラブルをどう解決するか、実践的なこころの扱い方読本である。

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初出メディア

朝日新聞

朝日新聞 2008年8月3日

朝日新聞デジタルは朝日新聞のニュースサイトです。政治、経済、社会、国際、スポーツ、カルチャー、サイエンスなどの速報ニュースに加え、教育、医療、環境、ファッション、車などの話題や写真も。2012年にアサヒ・コムからブランド名を変更しました。

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