書評
『世界を変える美しい本 インド・タラブックスの挑戦』(ブルーシープ)
南インドの小さな出版社タラブックスは二十二年前から独特な出版活動を展開して、世界的な成功を収めてきた。といっても、たくさん売れたという意味ではない。絵本を中心に、手で漉すいた紙に全ページをシルクスクリーンで手刷りするなど、工芸品のような本を中心にしているので、大量生産はできないのだ。
イカした本を作ることを目指しているうちに、通常は署名のない仕事をしている民俗的な画家たちを発見していくことになり、それによって出版と民俗の両方が刺激を受けるという好循環が生まれた。品質を守る過程で、少数民族の生活様式や工房の労働環境などにも配慮することになり、フェアトレードに通じる社会運動の側面も出てきた。
美しい本とそれを取り巻く世界を見せるこの本もまた、どこから開いても美しい。「本は世界という物語に深みをあたえてくれる」とある。
イカした本を作ることを目指しているうちに、通常は署名のない仕事をしている民俗的な画家たちを発見していくことになり、それによって出版と民俗の両方が刺激を受けるという好循環が生まれた。品質を守る過程で、少数民族の生活様式や工房の労働環境などにも配慮することになり、フェアトレードに通じる社会運動の側面も出てきた。
美しい本とそれを取り巻く世界を見せるこの本もまた、どこから開いても美しい。「本は世界という物語に深みをあたえてくれる」とある。
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