書評
『ルポ 雇用なしで生きる――スペイン発「もうひとつの生き方」への挑戦』(岩波書店)
スペインでは今、ちょっとした革命が起こっているらしい。それは生き方と働き方の革命なのだが、それがどうやら今の政治の変革と混乱にもつながっているのだ。
二〇〇八年の金融危機によりスペインの若年失業率が五十五%にもなったころからそれは本格化したと本書はいう。国や企業に対する絶望から、多くの市民が従来型の雇用や上からの「支援」に依存するのをやめ、困難の中で相互に扶助して生きていく手法を模索するようになった。
その中で、労働力を無償で提供しあう時間銀行や、ユーロの現金を介さない地域通貨、協同組合方式の働き方・暮らし方などが各地で工夫されていった。身近な問題を解決するために生まれたそうした運動がネットワーク化して、領域的にも多岐にわたる連帯経済のシステムができあがったことを著者は多様な事例を通じて見せてくれる。
政治や雇用の支配を逃れて自分の手に人生の決定権をとりもどしていく人々の様子は感動的で、自分も運動を始めたくなる。日本でも類似したことは始まっているようだが、多様なヒントがここにはある。
二〇〇八年の金融危機によりスペインの若年失業率が五十五%にもなったころからそれは本格化したと本書はいう。国や企業に対する絶望から、多くの市民が従来型の雇用や上からの「支援」に依存するのをやめ、困難の中で相互に扶助して生きていく手法を模索するようになった。
その中で、労働力を無償で提供しあう時間銀行や、ユーロの現金を介さない地域通貨、協同組合方式の働き方・暮らし方などが各地で工夫されていった。身近な問題を解決するために生まれたそうした運動がネットワーク化して、領域的にも多岐にわたる連帯経済のシステムができあがったことを著者は多様な事例を通じて見せてくれる。
政治や雇用の支配を逃れて自分の手に人生の決定権をとりもどしていく人々の様子は感動的で、自分も運動を始めたくなる。日本でも類似したことは始まっているようだが、多様なヒントがここにはある。
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