後書き

『かーかん、はあい 子どもと本と私』(朝日新聞出版)

  • 2020/01/20
かーかん、はあい 子どもと本と私 / 俵万智
かーかん、はあい 子どもと本と私
  • 著者:俵万智
  • 出版社:朝日新聞出版
  • 装丁:文庫(224ページ)
  • 発売日:2012-05-08
  • ISBN-10:4022646667
  • ISBN-13:978-4022646668
内容紹介:
6歳になった今も、息子は絵本を持って母のもとへやってくる――。子育てをする歌人が、子どものために選び、自身も心を揺り動かされた絵本48冊を紹介したエッセイ。母親世代にも懐かしい不朽の名… もっと読む
6歳になった今も、息子は絵本を持って母のもとへやってくる――。子育てをする歌人が、子どものために選び、自身も心を揺り動かされた絵本48冊を紹介したエッセイ。母親世代にも懐かしい不朽の名作から、図鑑、ことば遊び、シュールなものまで、幅広く選んでいる。成長に応じた絵本探しの参考として、また母と子のあたたかな交流を描いた本として楽しい一冊。単行本全2巻を1冊にまとめて文庫化。

単行本あとがきⅡ

「かーかん、はあい」二冊目の単行本となる本書は、二〇〇七年十一月から二〇〇九年九月まで、月に一度、朝日新聞に連載したものをまとめた(「ドラえもんの魅力」は、「本の窓」に掲載されたものに若干手を入れました)。一冊目の連載がはじまったころ二歳だった息子は、今度の春、小学生になる。

絵本が中心だった読書にも、ずいぶん広がりが出てきたなあと、本書の目次を見ながら思った。

体験したことを調べる、図画や工作を楽しむ、国や社会のことを考える、言葉の不思議を味わう……。さまざまな場面に寄り添ってくれる本が、息子の日常に登場してきた、そんな時期だったようだ。

小学生になれば、またいっそう読書の幅も広がることだろう。私自身のことを振り返ってみても、一番たくさん、そして自由に読んでいたのが、小学生時代だったような気がする。

最近は、幼稚園や図書館で、息子自身が選んだものを借りることも多くなってきた。成長は、いつも頼もしく、そしてちょっぴり寂しい。これからも、いつでもそばに本があるように、サポートしつつ、見守ってやりたいと思う。

一冊目につづき、今回も五味太郎さんのすてきな絵で、本書を飾ってもらえたことが嬉しい。いくつか、描きおろしのものまで入っているという贅沢さである(単行本にのみ収録)。

二冊目がまとまるのを区切りに、紙面の連載のほうも終了した。お子さんやお孫さんの「本選びの参考にしています」という声を聞くたび、励まされ、また身のひきしまる思いがした。応援、ありがとうございました。

息子はこのごろ、どうやら母の職業に気づいたようで「どうしてご本を書くひとになろうと思ったの?」などと聞いてくる。「それは、ご本が大好きだからだよ」。シンプルすぎるかもしれないけれど、そうとしか答えられないな、と思う。

二〇〇九年 秋

俵 万智

【初出単行本】
かーかん、はあい 子どもと本と私 2 / 俵 万智
かーかん、はあい 子どもと本と私 2
  • 著者:俵 万智
  • 出版社:朝日新聞出版
  • 装丁:単行本(104ページ)
  • 発売日:2010-01-08
  • ISBN-10:4022506881
  • ISBN-13:978-4022506887
内容紹介:
こんどは、これが読みたいな!読むことが体験を支え、体験することがまた読書の楽しみを広げてくれる。小さな一歩を踏み出す手助けをしてくれる本、わからないから考える魅力、「好き」ということから生まれてくるパワー…。親子で楽しむ読書の時間は、いつも新たな発見ばかり。朝日新聞好評連載のエッセイ集。

ALL REVIEWS経由で書籍を購入いただきますと、書評家に書籍購入価格の0.7~5.6%が還元されます。

かーかん、はあい 子どもと本と私 / 俵万智
かーかん、はあい 子どもと本と私
  • 著者:俵万智
  • 出版社:朝日新聞出版
  • 装丁:文庫(224ページ)
  • 発売日:2012-05-08
  • ISBN-10:4022646667
  • ISBN-13:978-4022646668
内容紹介:
6歳になった今も、息子は絵本を持って母のもとへやってくる――。子育てをする歌人が、子どものために選び、自身も心を揺り動かされた絵本48冊を紹介したエッセイ。母親世代にも懐かしい不朽の名… もっと読む
6歳になった今も、息子は絵本を持って母のもとへやってくる――。子育てをする歌人が、子どものために選び、自身も心を揺り動かされた絵本48冊を紹介したエッセイ。母親世代にも懐かしい不朽の名作から、図鑑、ことば遊び、シュールなものまで、幅広く選んでいる。成長に応じた絵本探しの参考として、また母と子のあたたかな交流を描いた本として楽しい一冊。単行本全2巻を1冊にまとめて文庫化。

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