前書き
『しなくていい努力 日々の仕事の6割はムダだった!』(集英社)
「しなくていい努力? そんなことしていないですよ!」
「しなくていい努力? もしやっていたら、誰でも気づくでしょ!」
はたしてそうでしょうか?
振り返ると、私の20代は、その努力のほとんどが「しなくていい努力」でした。
そして、当時の私は、そのことにまったく気づけません。
その結果……30歳の時に、仕事がどうにもならなくなって、9カ月休職してしまったのです。
「こんなにがんばっているのに……なんでいつもこうなんだろう……」
「またそんなことを……まったく理不尽だな……」
「こんな毎日を、これからも続けていていいのだろうか……」
みなさんは、こんなことを、日々の仕事の中で思ったことはありませんか。
ある人は、「きっと自分の努力が足りないのだろう」と反省し、より多くの努力を自らに課して、自分を追い込んでいきます。
またある人は、「上司が悪いのだ」「この会社だからうまくいかないのだ」と問題を自分の「外」に求めて、異動願いを出したり、転職をしたりするのです。
しかし、かつてそのように考えていた私は、いまは、その考えこそが間違いだと確信しています。
実は、思ったような成果が出ない主な原因は、「努力が足りない」のでも、あるいは周囲が悪いのでもなく、自分が、「しなくていい努力」をしてしまっているからなのです。
私の現在のメインの仕事は、企業研修の講師です。
私の研修は、メーカー、エネルギー、不動産、医薬、IT、広告、金融と、さまざまな企業で行われています。そして参加される方の職種も、営業、企画、研究、開発、生産、人事、財務と多種多様です。おかげさまで、約10年間で1万人以上が参加してくださっています。
私が研修でする話のほとんどは、20代に、ある食品会社のビジネスパーソンとして、実際に私がやってしまった、「しなくていい努力」の数々なのです。
「目からウロコでした!」
「堀田さんの話、耳が痛かったです。〝あるある.です!」
「モヤモヤとした不安と不満の正体がわかりました!」
「あやうく堀田さんのような代を過ごしてしまうところでした!」
研修に出てはじめて、自分が、なんと実に1日の63%もの時間を、それらの「しなくていい努力」に費やしていたことに気づくのです。
みなさん研修後は、別人のようなスッキリとした顔で現場に帰っていかれます。
では、「しなくていい努力」とはいったい何なのでしょうか?
それは、一言で説明すれば、
「その競技では、いくらやっても意味のない努力」
のことです。たとえば、サッカーの試合中に、手を使ってしまうようなことです。
20代に「しなくていい努力」をし続けてしまった私は、その結果、重度のメンタル不調に陥り、歳で「休職」にまで追い込まれます。そんな悲しいキャリアでしたが、いま振り返ると、私は逆にとても幸運だったといえます。
なぜなら、「休職」というわかりやすい「挫折」をしたからこそ、早くに「しなくていい努力」をしていた自分に気づけ、それを止めることができたからです。
それほど大きな壁にあたらず、そして何の疑いもなく、しかしどこかに不満や違和感を抱えながら日々「しなくていい努力」を重ねて……50歳、60歳になり、その時になっていままでの自分の努力のほとんどが「しなくていい努力」だったことに気づき、もう取り返しがつかないことに愕然とし、後悔する……というのが、ある種最悪のシナリオなのです。
「しなくていい努力」をしている自分に気づくこと
本書がその一助になり、みなさんの日々の仕事と今後のビジネスキャリアが、より楽しく、充実したものになることに少しでも貢献できれば、それに勝る喜びはありません。
[書き手]堀田孝治(著者)
「しなくていい努力? もしやっていたら、誰でも気づくでしょ!」
はたしてそうでしょうか?
振り返ると、私の20代は、その努力のほとんどが「しなくていい努力」でした。
そして、当時の私は、そのことにまったく気づけません。
その結果……30歳の時に、仕事がどうにもならなくなって、9カ月休職してしまったのです。
「こんなにがんばっているのに……なんでいつもこうなんだろう……」
「またそんなことを……まったく理不尽だな……」
「こんな毎日を、これからも続けていていいのだろうか……」
みなさんは、こんなことを、日々の仕事の中で思ったことはありませんか。
ある人は、「きっと自分の努力が足りないのだろう」と反省し、より多くの努力を自らに課して、自分を追い込んでいきます。
またある人は、「上司が悪いのだ」「この会社だからうまくいかないのだ」と問題を自分の「外」に求めて、異動願いを出したり、転職をしたりするのです。
しかし、かつてそのように考えていた私は、いまは、その考えこそが間違いだと確信しています。
実は、思ったような成果が出ない主な原因は、「努力が足りない」のでも、あるいは周囲が悪いのでもなく、自分が、「しなくていい努力」をしてしまっているからなのです。
私の現在のメインの仕事は、企業研修の講師です。
私の研修は、メーカー、エネルギー、不動産、医薬、IT、広告、金融と、さまざまな企業で行われています。そして参加される方の職種も、営業、企画、研究、開発、生産、人事、財務と多種多様です。おかげさまで、約10年間で1万人以上が参加してくださっています。
私が研修でする話のほとんどは、20代に、ある食品会社のビジネスパーソンとして、実際に私がやってしまった、「しなくていい努力」の数々なのです。
「目からウロコでした!」
「堀田さんの話、耳が痛かったです。〝あるある.です!」
「モヤモヤとした不安と不満の正体がわかりました!」
「あやうく堀田さんのような代を過ごしてしまうところでした!」
研修に出てはじめて、自分が、なんと実に1日の63%もの時間を、それらの「しなくていい努力」に費やしていたことに気づくのです。
みなさん研修後は、別人のようなスッキリとした顔で現場に帰っていかれます。
では、「しなくていい努力」とはいったい何なのでしょうか?
それは、一言で説明すれば、
「その競技では、いくらやっても意味のない努力」
のことです。たとえば、サッカーの試合中に、手を使ってしまうようなことです。
20代に「しなくていい努力」をし続けてしまった私は、その結果、重度のメンタル不調に陥り、歳で「休職」にまで追い込まれます。そんな悲しいキャリアでしたが、いま振り返ると、私は逆にとても幸運だったといえます。
なぜなら、「休職」というわかりやすい「挫折」をしたからこそ、早くに「しなくていい努力」をしていた自分に気づけ、それを止めることができたからです。
それほど大きな壁にあたらず、そして何の疑いもなく、しかしどこかに不満や違和感を抱えながら日々「しなくていい努力」を重ねて……50歳、60歳になり、その時になっていままでの自分の努力のほとんどが「しなくていい努力」だったことに気づき、もう取り返しがつかないことに愕然とし、後悔する……というのが、ある種最悪のシナリオなのです。
「しなくていい努力」をしている自分に気づくこと
本書がその一助になり、みなさんの日々の仕事と今後のビジネスキャリアが、より楽しく、充実したものになることに少しでも貢献できれば、それに勝る喜びはありません。
[書き手]堀田孝治(著者)
ALL REVIEWSをフォローする




































