解説
『ヒトのオスは飼わないの?』(文藝春秋)
どんなネコ嫌いイヌ嫌いでも、ここに描かれているイヌ二、ネコ四、ヒト二によって構成された聖家族の日々を読んだあとは、大のネコ好きイヌ好きになってしまうにちがいない。好きにならないまでも、たとえば雷が嫌いな柴系雑犬ゲンの運命には思わずほろりとするだろう。
ひんぱんにイヌ語やネコ語があらわれるのは、米原万里がしばしば、自分がイヌネコなのか、イヌネコが自分なのか、よくわからなくなってしまうからだ。脇役の獣医アラカワ先生の存在もおもしろく、これはイヌネコとヒトとの合作による大笑いの、そして涙ぐましい友情物語の傑作である。
【この解説が収録されている書籍】
ひんぱんにイヌ語やネコ語があらわれるのは、米原万里がしばしば、自分がイヌネコなのか、イヌネコが自分なのか、よくわからなくなってしまうからだ。脇役の獣医アラカワ先生の存在もおもしろく、これはイヌネコとヒトとの合作による大笑いの、そして涙ぐましい友情物語の傑作である。
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初出メディア

米原万里展「ロシア語通訳から作家へ」図録 2008年10月刊
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