前書き

『ハロウィーンの料理帳: 魔女と吸血鬼のちょっと不気味な30のレシピ』(原書房)

  • 2022/09/27
ハロウィーンの料理帳: 魔女と吸血鬼のちょっと不気味な30のレシピ / ヴァンサン・アミエル
ハロウィーンの料理帳: 魔女と吸血鬼のちょっと不気味な30のレシピ
  • 著者:ヴァンサン・アミエル
  • 翻訳:熊谷 久子
  • 出版社:原書房
  • 装丁:単行本(104ページ)
  • 発売日:2022-08-19
  • ISBN-10:4562071982
  • ISBN-13:978-4562071982
内容紹介:
大人も子供も楽しめるお祭りハロウィーン。前菜、メインディッシュ、飲み物、デザートまで、ちょっと不気味な30のレシピを収録。
大人も子供も楽しめるお祭りハロウィーン。パーティーに参加する魔女や吸血鬼になったつもりでハロウィーンのテーブルを演出しよう。前菜、メインディッシュ、飲み物、デザート、おやつまで、ちょっと不気味な30のレシピを収録した『ハロウィーンの料理帳』より序文を公開します。

ハロウィーン、大好き!

〈トリック・オア・トリート!〉(お菓子をちょうだい。くれないとイタズラするよ)。

子供たちが近所の家を回って、玄関先でこの言葉を口にする――ハロウィーンと言えば、誰もが思い浮かべる光景です。

ハロウィーンの起源は、サウィン祭と呼ばれる古代アイルランドのケルトのお祭りにさかのぼります。このお祭りは10月31日の夜から11月1日にかけて行われ、祭りの最中は、ドルイド僧たちが、かがり火を焚き、秋の収穫を祝うと同時に、悪霊たちを追い払いました。10月31日の夜は新年の始まりであり、この世とあの世の間にある扉が開く日でもあったからです。

ハロウィーンと呼ばれるようになったのは、8世紀になってからで、これはカトリック教会が、アイルランドの信者たちの心をつかむために、サウィン祭に合わせて〈諸聖人の日〉を11月1日に、〈死者の日〉を11月2日に定めたことによるものです。〈諸聖人の日〉は英語でAll Hallows。10月31日の夜はその始まりの日の夜なので、All Hallows Eve。このEveが訛って、eenとなり、Halloween、ハロウィーンになったのです。

その後、19世紀になると、ハロウィーンはアメリカで盛大に祝われるようになります。これはアイルランド人やスコットランド人など、ケルトの血を引く人々が移民として、大量にアメリカに渡ってきたからです。それが20世紀になって世界中に広まり、今では大人も子供もすべての人が楽しめるお祭りになっています。

さて、ここでハロウィーンの象徴であるカボチャのお化け、ジャック・オー・ランタンについてもお話ししておきましょう。ジャック・オー・ランタンは、悪魔を騙して、地獄に落ちなくてもすむという契約を結んだものの、生前の悪行が災いして天国にも行くこともできず、カブで作ったランタンを手にこの世をさまよっている人物です。また、カブのランタンを持つのではなく、カブに憑依したとも言われています。したがって、ハロウィーンのお祭りの時、ヨーロッパでは最初、カブをくり抜いたものが使われていました。カボチャが使われるようになったのは、アメリカで祝われるようになってからです。これは移民したアイルランド人たちがカボチャの生産に従事していたためです。

ハロウィーンのお菓子と言えばイタリアのパン・ディ・モルティ(死者のパン)や、メキシコのカラベラス・デ・アスカル(骸骨の砂糖菓子)が有名ですが、この本でも負けずに、身の毛のよだつハロウィーンの料理やお菓子を作ってみました。パーティーに参加する吸血鬼や魔女たちと一緒に召しあがれ。

[書き手]ヴァンサン・アミエル(料理研究家)
ハロウィーンの料理帳: 魔女と吸血鬼のちょっと不気味な30のレシピ / ヴァンサン・アミエル
ハロウィーンの料理帳: 魔女と吸血鬼のちょっと不気味な30のレシピ
  • 著者:ヴァンサン・アミエル
  • 翻訳:熊谷 久子
  • 出版社:原書房
  • 装丁:単行本(104ページ)
  • 発売日:2022-08-19
  • ISBN-10:4562071982
  • ISBN-13:978-4562071982
内容紹介:
大人も子供も楽しめるお祭りハロウィーン。前菜、メインディッシュ、飲み物、デザートまで、ちょっと不気味な30のレシピを収録。

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