書評

『MAKERS 21世紀の産業革命が始まる』(NHK出版)

  • 2017/12/03
MAKERS 21世紀の産業革命が始まる / クリス・アンダーソン
MAKERS 21世紀の産業革命が始まる
  • 著者:クリス・アンダーソン
  • 翻訳:関 美和
  • 出版社:NHK出版
  • 装丁:単行本(320ページ)
  • 発売日:2012-10-23
  • ISBN:4140815760
内容紹介:
『ワイアード』US版編集長で世界的ベストセラー『フリー』『ロングテール』の著者クリス・アンダーソンが、新産業革命の最前線へと読者を誘う。今日の起業家は、オープンソースのデザインと3Dプリンタを使って製造業をデスクトップ上で展開している。カスタム製造とDIYによる製品デザインや開発を武器に、ガレージでもの作りに励む何百万人という「メイカーズ」世代が、製造業の復活を後押しする。ウェブのイノベーション・モデルをリアルなもの作りに持ち込むことで、グローバル経済の次の大きな波を起こすのだ。世界規模で進行する「メイカームーブメント」を決定づける一冊。

新しいものづくりの時代が来ている

工業製品というと、工場じゃないとつくれないものと思っていた。ところが誰もが自分でつくれる時代になりつつあるという。パソコンとプリンタを使って、年賀状を自宅で印刷するように。

『フリー』で無料ビジネスの世界を紹介したクリス・アンダーソンの新著は『MAKERS(メイカーズ)』。この21世紀の産業革命ともいうべき事態を詳しくリポートしている。誰もがメイカー(つくり手)になれるというのだ。

きっかけは3Dプリンタやレーザーカッターといった工作機械の登場である。3Dプリンタは、3次元、つまり立体のものをつくる。パソコンのプリンタの3D版だ。レーザーカッターは細かく複雑な仕事でも正確にこなす電動鋸。どちらも机の上にのるほどの大きさで個人でも買えるが、これらを備えた工作室が世界中で増えている。オバマ政権は今後4年間で1000カ所の学校に工作室を開く。

工具だけでものづくりはできない。設計図が必要だが、コンピュータとインターネットによって設計も簡単になった。セミプロが知識を持ち寄り、ネットで共有する。それを3Dプリンタやレーザーカッターに送ってものをつくる。大量生産が必要なものは、工場に設計図を送る。

これだけでは、ものづくり革命ではなく日曜大工革命である。ちゃんとビジネスにつなげるしくみも生まれている、とアンダーソンは紹介する。インターネットで客を集め、資金を募るのだ。音楽の世界でメジャーとインディーズの境目がなくなったのと同じことが工業でも起きつつある。

こうした21世紀の産業革命を可能にしたのは、コンピュータとインターネットだ。時代は大量生産から、少量多品種生産へと変わりつつある。となると、人件費はものづくりの決め手ではない。日本の企業は、生産拠点を海外に移すよりも、国内でコンピュータに関するスキルを磨いたほうがいいのではないか。
MAKERS 21世紀の産業革命が始まる / クリス・アンダーソン
MAKERS 21世紀の産業革命が始まる
  • 著者:クリス・アンダーソン
  • 翻訳:関 美和
  • 出版社:NHK出版
  • 装丁:単行本(320ページ)
  • 発売日:2012-10-23
  • ISBN:4140815760
内容紹介:
『ワイアード』US版編集長で世界的ベストセラー『フリー』『ロングテール』の著者クリス・アンダーソンが、新産業革命の最前線へと読者を誘う。今日の起業家は、オープンソースのデザインと3Dプリンタを使って製造業をデスクトップ上で展開している。カスタム製造とDIYによる製品デザインや開発を武器に、ガレージでもの作りに励む何百万人という「メイカーズ」世代が、製造業の復活を後押しする。ウェブのイノベーション・モデルをリアルなもの作りに持ち込むことで、グローバル経済の次の大きな波を起こすのだ。世界規模で進行する「メイカームーブメント」を決定づける一冊。

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初出メディア

週刊朝日

週刊朝日 2012年12月7日

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