書評

『神様の住所』(朝日出版社)

  • 2024/06/30
神様の住所 / 九螺ささら
神様の住所
  • 著者:九螺ささら
  • 出版社:朝日出版社
  • 装丁:単行本(ソフトカバー)(272ページ)
  • 発売日:2018-06-13
  • ISBN-10:425501051X
  • ISBN-13:978-4255010519
内容紹介:
短歌が入口で、宇宙が出口。俵万智、穂村弘、東直子と続く革新短歌の宇宙を、哲学的な輝きで新たに飲み込む。〈体積がこの世と等しいものが神〉夢の中の本のあとがき (哲学)徹子の部屋の… もっと読む
短歌が入口で、宇宙が出口。
俵万智、穂村弘、東直子と続く革新短歌の宇宙を、
哲学的な輝きで新たに飲み込む。

〈体積がこの世と等しいものが神〉夢の中の本のあとがき (哲学)
徹子の部屋の窓から見えてたえいえんみたいな二個目の太陽 (黒柳徹子)
何度寝て何を入れてもわたしとはたわしにならない固有のわたし (質量保存の法則)

たましい、無限、黒柳徹子、味の素、なぞなぞ――
84の多彩なテーマごとに、「短歌」→「自己解説(風文章)」→「短歌」の三段階で構成。
短歌と散文、感情と理性が響き合って、世界の新しい風景があふれだす。
歌集でもなく、エッセイ集でもない。
言葉がきらめく超新星、鮮やかすぎるデビュー作!

短歌→散文→短歌の魅力

九螺(くら)ささら、という歌人の名前を、いろんなメディアで眼にするようになったのはいつ頃のことだろう。気になる短歌を作る人、という印象だ。

この本は歌人の初の著作。歌集、とはにわかに断定しがたい、魅力的な本に仕上がった。

まず、テーマに沿った短歌がひとつ、掲げられる。関わりのある散文が少しだけ続く。そして、別の短歌で締めくくる。

たとえば「住所」というテーマ。「京都府京都市左京区宇宙町無重力坂永遠ニ上ガル」が最初の短歌。京都の住所の面白さ・不思議さから始めて、魂は常に住所不定なのだ、と結論づける。結びの歌は、「履歴書の住所の欄に『蜃気楼』と書いた社員が五月病になる」。ありそうな話。



神様の住所 / 九螺ささら
神様の住所
  • 著者:九螺ささら
  • 出版社:朝日出版社
  • 装丁:単行本(ソフトカバー)(272ページ)
  • 発売日:2018-06-13
  • ISBN-10:425501051X
  • ISBN-13:978-4255010519
内容紹介:
短歌が入口で、宇宙が出口。俵万智、穂村弘、東直子と続く革新短歌の宇宙を、哲学的な輝きで新たに飲み込む。〈体積がこの世と等しいものが神〉夢の中の本のあとがき (哲学)徹子の部屋の… もっと読む
短歌が入口で、宇宙が出口。
俵万智、穂村弘、東直子と続く革新短歌の宇宙を、
哲学的な輝きで新たに飲み込む。

〈体積がこの世と等しいものが神〉夢の中の本のあとがき (哲学)
徹子の部屋の窓から見えてたえいえんみたいな二個目の太陽 (黒柳徹子)
何度寝て何を入れてもわたしとはたわしにならない固有のわたし (質量保存の法則)

たましい、無限、黒柳徹子、味の素、なぞなぞ――
84の多彩なテーマごとに、「短歌」→「自己解説(風文章)」→「短歌」の三段階で構成。
短歌と散文、感情と理性が響き合って、世界の新しい風景があふれだす。
歌集でもなく、エッセイ集でもない。
言葉がきらめく超新星、鮮やかすぎるデビュー作!

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初出メディア

日本経済新聞

日本経済新聞 2018年6月21日

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