書評

『よそ見津々』(日本経済新聞出版)

  • 2026/08/27
よそ見津々 / 柴崎 友香
よそ見津々
  • 著者:柴崎 友香
  • 出版社:日本経済新聞出版
  • 装丁:単行本(353ページ)
  • 発売日:2010-09-23
  • ISBN-10:4532167558
  • ISBN-13:978-4532167554
内容紹介:
ここ5年の間に発表された90篇余りで編んだ初の本格エッセイ集。
東京の木、空の色、おいしいもの、洋服……透き通ったのびやかなまなざしが、ふだんの日々のくらしをいとおしいものに変えてくれます。そして注目は本の話。読めば必ず小説が好きになります。

ALL REVIEWS経由で書籍を購入いただきますと、書評家に書籍購入価格の0.7~5.6%が還元されます。

些細なことに斬新な発見

小説家の柴崎友香さん、初めての本格エッセイ集。柴崎さんの小説は、どこかでエッセイと触れ合っているような気がしていたのだが、このエッセイ集を読んで、その辺りの事情がちょっとだけわかったような気がする。小説に変化する直前で止めて、エッセイにまとめている文章があって、それがとてもいい。

柴崎さんは大阪でずっと暮らしてきた人だ。だから、東京で暮らし始めてから小さなことに差異を見出して、あれこれ考える。

些細(ささい)なことの中に斬新な発見は宿っている。

たとえば、パン。大阪では4枚切りや5枚切りが普通だが、東京は6枚切りがスタンダード。8枚切りまである。8枚なんてありえない、と思った柴崎さんは、大阪の友人に相談する。

そうすると、その友人は、だからテレビドラマで、パンをくわえたまま走っている人がいるのだ、と妙に納得できる意見を吐く。なるほど。厚手のパンでは口にくわえて走れないかも。

長短さまざまな文章が入っているが、どちらかというと長めの文章のほうが味わい深いような気が。ふんわりした文章はエッセイの内容にマッチしている。
よそ見津々 / 柴崎 友香
よそ見津々
  • 著者:柴崎 友香
  • 出版社:日本経済新聞出版
  • 装丁:単行本(353ページ)
  • 発売日:2010-09-23
  • ISBN-10:4532167558
  • ISBN-13:978-4532167554
内容紹介:
ここ5年の間に発表された90篇余りで編んだ初の本格エッセイ集。
東京の木、空の色、おいしいもの、洋服……透き通ったのびやかなまなざしが、ふだんの日々のくらしをいとおしいものに変えてくれます。そして注目は本の話。読めば必ず小説が好きになります。

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初出メディア

日本経済新聞

日本経済新聞 2010年10月27日

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