書評

『冬の旅 Wintertime Voyage』(河出書房新社)

  • 2026/09/03
冬の旅 Wintertime Voyage / 桜井 鈴茂
冬の旅 Wintertime Voyage
  • 著者:桜井 鈴茂
  • 出版社:河出書房新社
  • 装丁:単行本(164ページ)
  • 発売日:2011-01-15
  • ISBN-10:430902016X
  • ISBN-13:978-4309020167
内容紹介:
東京郊外の町・東美園。例の惨殺事件が起こった年、古橋君は失踪して時限爆弾が見つかって、俺の前から2人の女が消えて楢崎が現れた 曽我部恵一、中原昌也、石川忠司各氏絶讃の注目作。
冬の旅
ウィンタータイム・ブルーズ

ALL REVIEWS経由で書籍を購入いただきますと、書評家に書籍購入価格の0.7~5.6%が還元されます。

最後のフリーター小説

昔、フリーターという言葉もなかったころ、大学を出て、自由を求めて仕事に就かない人がいた。そんな時期があった。90年代のことだ。日本にも経済的な余裕があった。アルバイトをしながら、自分のやりたいことをやるために、夢を追いかける――なんて、ことを恥ずかしくなく話せる時代があったのだ。

そうした社会背景から滲(にじ)み出たような小説もあった。「フリーター小説」と呼ばれた。時代の気分を切り取った小説だった。具体的には鈴木清剛や岡崎祥久、一時期の角田光代もそうしたジャンルに入るような小説を書いていた。

桜井鈴茂は、「フリーター小説」を一過性のものとはみていない。フリーター小説の「その後」を真剣に考え続けてきた作家だ。そのことがこの小説を読むとよくわかる。

東京郊外の町で「例の惨殺事件」が起こり、コンビニの同僚が失踪し、公園では爆弾が見つかった年。突然、楢崎が「おれ」の前に現れ、「ロックン・ロールをまっとうするしかない」と言い放つ。

どうする、おれ。40代フリーターが人生を賭けた戦いに打って出る。最後のフリーター小説、完結。
冬の旅 Wintertime Voyage / 桜井 鈴茂
冬の旅 Wintertime Voyage
  • 著者:桜井 鈴茂
  • 出版社:河出書房新社
  • 装丁:単行本(164ページ)
  • 発売日:2011-01-15
  • ISBN-10:430902016X
  • ISBN-13:978-4309020167
内容紹介:
東京郊外の町・東美園。例の惨殺事件が起こった年、古橋君は失踪して時限爆弾が見つかって、俺の前から2人の女が消えて楢崎が現れた 曽我部恵一、中原昌也、石川忠司各氏絶讃の注目作。
冬の旅
ウィンタータイム・ブルーズ

ALL REVIEWS経由で書籍を購入いただきますと、書評家に書籍購入価格の0.7~5.6%が還元されます。

初出メディア

日本経済新聞

日本経済新聞 2011年2月2日

ALL REVIEWS 書評講座(オンライン受講) ≫オンラインで参加する
現地満席|オンライン参加OK
「読む」側から、 「書く」側へ。
オンライン参加OK/過去回アーカイブ付。
全12回・途中申込OK。豪華講師陣の書評講座、開催中。
  • 週に1度お届けする書評ダイジェスト!
  • 「新しい書評のあり方」を探すALL REVIEWSのファンクラブ
関連記事
陣野 俊史の書評/解説/選評
ページトップへ