書評

『氷結の国 (1970年) (世界ロマン文庫〈13〉)』(筑摩書房)

  • 2017/09/06
氷結の国   / フェルプス
氷結の国
  • 著者:フェルプス
  • 出版社:筑摩書房
  • 装丁:-(245ページ)
昭和四十年代の半ばに筑摩書房から刊行された〈世界ロマン文庫〉全二十巻。異色の佳作がずらりと並ぶこの全集のなかでもとりわけ異色なのが、リチャード・ヒューズの『ジャマイカの烈風』とギルバート・フェルプスの本書である。前者は恐ろしいほどのおもしろさだが、ミステリのレッテルを貼るのはためらわれるので、ここでは本書について。アンデス山脈の奥深くに分け入った探検家が人跡未踏の謎の谷を発見する物語。一九六三年という近年に書かれながら正統硬派の秘境冒険小説である点が、まず立派としか言いようがない。しかも「冬眠する民族」という着想が、なんとも素晴らしい。こんな小説をよく探し出してきたものだ。

ジャマイカの烈風  / リチャード・ヒューズ
ジャマイカの烈風
  • 著者:リチャード・ヒューズ
  • 翻訳:小野寺 健
  • 出版社:晶文社
  • 装丁:単行本(256ページ)
  • 発売日:2003-09-26
  • ISBN-10:4794918348
  • ISBN-13:978-4794918345
内容紹介:
ジャマイカの農園から故国イギリスへと船出した子供たちを待ち受けていたのは、海賊船の襲来だった。その日から海の男たちと子供たちの奇妙な船上生活が始まる。突発した殺人事件をめぐって、無邪気な幼い心がもたらした恐るべき結末とは-。人間についての真実を天啓のように示した、『蠅の王』にも通ずる伝説的古典。

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【この書評が収録されている書籍】
ミステリ絶対名作201  /
ミステリ絶対名作201
  • 出版社:新書館
  • 装丁:単行本(ソフトカバー)(277ページ)
  • 発売日:1995-12-08
  • ISBN-10:4403250106
  • ISBN-13:978-4403250101

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氷結の国   / フェルプス
氷結の国
  • 著者:フェルプス
  • 出版社:筑摩書房
  • 装丁:-(245ページ)

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