書評

『百人一首で読み解く平安時代』(KADOKAWA/角川学芸出版)

  • 2017/07/01
百人一首で読み解く平安時代  / 吉海 直人
百人一首で読み解く平安時代
  • 著者:吉海 直人
  • 出版社:KADOKAWA/角川学芸出版
  • 装丁:単行本(284ページ)
  • 発売日:2012-11-23
  • ISBN:4047035165
内容紹介:
天智天皇にはじまり順徳院に終わる私撰和歌集「百人一首」。ここには平安朝の8人の天皇や、保元の乱の勝者・藤原忠通と敗者・崇徳院、歌人としては一流ではなかった紫式部などの和歌が番号順に並ぶ。藤原定家はなぜこの百首を選び、なぜこの順番に配列したのか。日本を代表する百人一首の研究者が、定家の王朝への想い、巧妙な歌の配列と撰歌意識を読み取りながら、百人一首を新解釈。歴史書としての新たな側面を描き出す。

選ばれた理由の分析に説得力

百人一首といえば、とかく反射神経を競う早取り競技、という印象が強い。評者も学生時代、それにのめり込んだ口だが、歌そのものにも関心があって、研究書を読みあさったものだった。

本書は、歌の解釈もさることながら、詠者の複雑な出自や人間関係、彼らが生きた時代背景を活写して、すこぶる刺激的だ。著者独自の解釈に加えて、古今の研究書や解釈本にも目を配り、出典を明示してそれぞれの異説を、ていねいに紹介する。その、誠実な博捜ぶりが、快い。

ことに、他の勅撰(ちょくせん)集への収載状況を精査して、なぜ当該歌が百首の中に選ばれたかを検証する、分析の過程が読みどころだろう。選者藤原定家が、自身の歌の好みだけでなく、いわゆる〈平安朝史観〉に基づいて、詠者の出自や親子関係、男女関係、政治的なしがらみなどから、総合的に判断して百首を選んだ、との指摘には説得力がある。

平安時代を、和歌を通して描き出した、好著である。
百人一首で読み解く平安時代  / 吉海 直人
百人一首で読み解く平安時代
  • 著者:吉海 直人
  • 出版社:KADOKAWA/角川学芸出版
  • 装丁:単行本(284ページ)
  • 発売日:2012-11-23
  • ISBN:4047035165
内容紹介:
天智天皇にはじまり順徳院に終わる私撰和歌集「百人一首」。ここには平安朝の8人の天皇や、保元の乱の勝者・藤原忠通と敗者・崇徳院、歌人としては一流ではなかった紫式部などの和歌が番号順に並ぶ。藤原定家はなぜこの百首を選び、なぜこの順番に配列したのか。日本を代表する百人一首の研究者が、定家の王朝への想い、巧妙な歌の配列と撰歌意識を読み取りながら、百人一首を新解釈。歴史書としての新たな側面を描き出す。

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初出メディア

朝日新聞

朝日新聞 2013年2月10日

朝日新聞デジタルは朝日新聞のニュースサイトです。政治、経済、社会、国際、スポーツ、カルチャー、サイエンスなどの速報ニュースに加え、教育、医療、環境、ファッション、車などの話題や写真も。2012年にアサヒ・コムからブランド名を変更しました。

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