書評

『魏志倭人伝の謎を解く - 三国志から見る邪馬台国』(中央公論新社)

  • 2017/11/07
魏志倭人伝の謎を解く - 三国志から見る邪馬台国  / 渡邉 義浩
魏志倭人伝の謎を解く - 三国志から見る邪馬台国
  • 著者:渡邉 義浩
  • 出版社:中央公論新社
  • 装丁:新書(210ページ)
  • 発売日:2012-05-24
  • ISBN-10:4121021649
  • ISBN-13:978-4121021649
内容紹介:
考古学調査と並び、邪馬台国論争の鍵を握るのが、「魏志倭人伝」(『三国志』東夷伝倭人の条)である。だが、『三国志』の世界観を理解せずに読み進めても、実像は遠のくばかりだ。なぜ倭人は入… もっと読む
考古学調査と並び、邪馬台国論争の鍵を握るのが、「魏志倭人伝」(『三国志』東夷伝倭人の条)である。だが、『三国志』の世界観を理解せずに読み進めても、実像は遠のくばかりだ。なぜ倭人は入れ墨をしているのか、なぜ邪馬台国は中国の東南海上に描かれたのか、畿内と九州どちらにあったのか。『三国志』研究の第一人者が当時の国際情勢を踏まえて検証し、真の邪馬台国像に迫る。「魏志倭人伝」の全文と詳細な訳注を収録。

中国から見た邪馬台国とは

魏志倭人伝を収める『三国志』とその政治的背景を分析し、邪馬台国の真実を解き明かそうとする。『三国志』は正史である。しかし、それは「正しい歴史」では必ずしもない。曹魏の中華としての正当性を示す史書なのである。

魏志倭人伝に描かれた邪馬台国は、曹魏の国家的理念から見た「あるべき姿」であった。日本史家の間で論争の基盤となっていた位置関係や距離の情報はもともと歪められていた。果たして邪馬台国は、畿内にあったのか九州にあったのか。それは、読んでみてのお楽しみ。

本書のアプローチは、グローバルな文脈の中で他者の立場から日本を捉えることの重要性、裏を返せば、日本という枠に限定した思考の落とし穴をよく示している。
魏志倭人伝の謎を解く - 三国志から見る邪馬台国  / 渡邉 義浩
魏志倭人伝の謎を解く - 三国志から見る邪馬台国
  • 著者:渡邉 義浩
  • 出版社:中央公論新社
  • 装丁:新書(210ページ)
  • 発売日:2012-05-24
  • ISBN-10:4121021649
  • ISBN-13:978-4121021649
内容紹介:
考古学調査と並び、邪馬台国論争の鍵を握るのが、「魏志倭人伝」(『三国志』東夷伝倭人の条)である。だが、『三国志』の世界観を理解せずに読み進めても、実像は遠のくばかりだ。なぜ倭人は入… もっと読む
考古学調査と並び、邪馬台国論争の鍵を握るのが、「魏志倭人伝」(『三国志』東夷伝倭人の条)である。だが、『三国志』の世界観を理解せずに読み進めても、実像は遠のくばかりだ。なぜ倭人は入れ墨をしているのか、なぜ邪馬台国は中国の東南海上に描かれたのか、畿内と九州どちらにあったのか。『三国志』研究の第一人者が当時の国際情勢を踏まえて検証し、真の邪馬台国像に迫る。「魏志倭人伝」の全文と詳細な訳注を収録。

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初出メディア

週刊ダイヤモンド

週刊ダイヤモンド 2017年9月16日

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