書評
『中国の漢字問題』(大修館書店)
中国も日本も漢字を使っているが、それぞれ異なる簡略化をした。そのため、現在たがいに読めなくなった字も少なくない。中国の漢字はどのように簡略化されたのか、そのねらいはどこにあったか。また、簡略体の実施によって、どのような効果があり、同時に社会生活にどんな影響を与えたのか。さらには現在直面している問題は何か。本書では、それらのことについて、複数の専門家の証言や意見を通して紹介されている。
中国だけでなく、シンガポールをはじめ、東南アジアの華人の間でも簡体字が使われている。しかし、台湾や香港はいまだに繁体字が公用文字だ。その影響で、経済開放が実施されてから、大陸でも繁体字が復活した。とくにコマーシャル、雑誌広告や看板などには頻繁に使用されている。異なる字体の併用は現在表記上の混乱をもたらしている。
本書は簡体字の歴史と現状を知る上で役に立つだけでなく、パソコンの漢字を統一する可能性を考える上でも参考になる。
【この書評が収録されている書籍】
中国だけでなく、シンガポールをはじめ、東南アジアの華人の間でも簡体字が使われている。しかし、台湾や香港はいまだに繁体字が公用文字だ。その影響で、経済開放が実施されてから、大陸でも繁体字が復活した。とくにコマーシャル、雑誌広告や看板などには頻繁に使用されている。異なる字体の併用は現在表記上の混乱をもたらしている。
本書は簡体字の歴史と現状を知る上で役に立つだけでなく、パソコンの漢字を統一する可能性を考える上でも参考になる。
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