【名著 味読・再読】”戦略思考”とは何か
1940年の講話がベースの本。空前絶後のスケールで、人類の「最終戦争」に向けて日本が取るべき戦略構想をぶち上げる。今の感覚で読むと荒唐無稽な話だが、裏側にはクールで口ジカル、リアリズムに徹した戦略思考がある。石原は何かを考えるときに、必ずそれが「何ではないか」を考える。いつも頭の中にニつの対立する概念があり、思考の工ンジンになっている。加えて、歴史理解という点でもずばぬけていた。過去の戦争指導者が取った戦略の本質を見抜き、独自の構想を引き出す。滑稽なぐらいに壮大な話をしているにもかかわらず論理は鋭い。構想は空間軸と時間軸の両方から明確に位置付けられるり中身は時代のあだ花だが、時代を超えて通用する戦略思考を教えてくれる。