書評
『芸術をめぐる言葉』(美術出版社)
アリストテレスの「哲学であれ、政治であれ、詩や芸術であれ、これらの領域において傑出した人間は、みな憂欝質(メランコリア)である」という言葉から、芸術――憂欝質――天才――狂気へと展開する観念の歴史を振り返り、スヴェトラーナ・アルパースの「地図と絵画は通底する」との指摘(『描写の芸術』)を通して、風景画と地図製作との相関性を思索する系譜をたどる。
プラトンから孔子、芭蕉、夏目漱石、ドゥルーズにいたるまで、八十人の哲学者、文学者、芸術家たちの「芸術をめぐる言葉」を取り上げる。ただ、たんに「名言」を紹介するのではなく、また、解釈にとどまるのでもない。彼らの語った言葉を通して、新たな美学批評の可能性を探る。
さまざまな芸術の観念について、思想史の流れのなかにおいて捉え直す。東西の美学思想を広く視野に入れ、関係する言説を博引旁証して、美学観念の史的相関図を明らかにする。本来専門性が強い書物のはずだが、一般読者にもわかるように書かれているのがありがたい。付録に書誌目録をつけたのも親切で役に立つ。
【この書評が収録されている書籍】
プラトンから孔子、芭蕉、夏目漱石、ドゥルーズにいたるまで、八十人の哲学者、文学者、芸術家たちの「芸術をめぐる言葉」を取り上げる。ただ、たんに「名言」を紹介するのではなく、また、解釈にとどまるのでもない。彼らの語った言葉を通して、新たな美学批評の可能性を探る。
さまざまな芸術の観念について、思想史の流れのなかにおいて捉え直す。東西の美学思想を広く視野に入れ、関係する言説を博引旁証して、美学観念の史的相関図を明らかにする。本来専門性が強い書物のはずだが、一般読者にもわかるように書かれているのがありがたい。付録に書誌目録をつけたのも親切で役に立つ。
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