内容紹介

『雲を離れた月』(書肆侃侃房)

  • 2018/06/27
雲を離れた月 / 相川 英輔
雲を離れた月
  • 著者:相川 英輔
  • 出版社:書肆侃侃房
  • 装丁:単行本(240ページ)
  • 発売日:2018-06-18
  • ISBN-10:4863853203
  • ISBN-13:978-4863853201
内容紹介:
ストーリーとストレンジ 迷いと惑い 影をとられないようにご注意ください ――西崎憲 【「たべるのがおそい」掲載作を含む、学生時代を発端とする憐憫と悔恨の物語】中学時代のちょ… もっと読む
ストーリーとストレンジ
迷いと惑い
影をとられないようにご注意ください
――西崎憲

【「たべるのがおそい」掲載作を含む、学生時代を発端とする憐憫と悔恨の物語】
中学時代のちょっとした遊びの呪いか「20歳までに3人死ぬ」という言葉にとらわれ、消息不明となっていた酒見君を探し出した源の前に現れたのは…「雲を離れた月」。大学時代の友人、榊君と久しぶりに再会した光安は、思い出話をするうちに彼のお面に手をかけたあの夜のことを振り返る「ある夜の重力」。50万円と引き換えに誕生日を手放してしまった渕上がたどり着いた先には…「7月2日、夜の島で」。「たべるのがおそい」掲載の「エスケイプ」の4編を収録。

後悔とその後の世界(書き手:書肆侃侃房 池田雪)

相川英輔の『雲を離れた月』を何度も読む。読むたびに、学生時代のあれやこれやが蘇ってきて、ちょっとしたタイムトリップを味わう。さて、いまも小学生のときにバカなことをした記憶が蘇り、いろんなことを忘れているのにそういう覚えておきたくないことだけは何度も思い出すものなのだ。でも、そういうときには無理やり楽しい話を思い出してみるのもいい。もう中学も高校も大学でさえも学生時代は遥か彼方だが好き勝手にいろいろとやっていたものだ。

表題作「雲を離れた月」に出てくるコックリさん、もちろんやりました。女の子同士、誰は誰のことが好きなど、コックリさんに聞いて盛り上がったけれど、どう考えても、あれ、誰か動かしてたよね……。でも、彼らはどうだったのだろうか。誰も動かしてないと言っていたのが本当だったとしたら……。「二十歳までに三人死ぬ」、そんな呪いをかけられたら、そのまま何も考えずに人生を歩むことなどできないだろう。そう、源のようにきっと確かめずにはいられなかったはずだ。やっと見つけた酒見くんとの間に何が起こるのか気になって、ゲラをめくる手が止まらなくなった。

物語の登場人物たちは、迷い、惑いながら物語の中を生き生きと進んでいく。それぞれが後悔をし、でも着実に一歩を踏み出す瞬間も目の当たりにできる。

さて、あなたはこの物語を読んでいつの時代に思いを馳せるのだろうか。そして、そこから新しい一歩を踏み出したあの瞬間を思い出すためにもこの物語をぜひ読んでみてください。
雲を離れた月 / 相川 英輔
雲を離れた月
  • 著者:相川 英輔
  • 出版社:書肆侃侃房
  • 装丁:単行本(240ページ)
  • 発売日:2018-06-18
  • ISBN-10:4863853203
  • ISBN-13:978-4863853201
内容紹介:
ストーリーとストレンジ 迷いと惑い 影をとられないようにご注意ください ――西崎憲 【「たべるのがおそい」掲載作を含む、学生時代を発端とする憐憫と悔恨の物語】中学時代のちょ… もっと読む
ストーリーとストレンジ
迷いと惑い
影をとられないようにご注意ください
――西崎憲

【「たべるのがおそい」掲載作を含む、学生時代を発端とする憐憫と悔恨の物語】
中学時代のちょっとした遊びの呪いか「20歳までに3人死ぬ」という言葉にとらわれ、消息不明となっていた酒見君を探し出した源の前に現れたのは…「雲を離れた月」。大学時代の友人、榊君と久しぶりに再会した光安は、思い出話をするうちに彼のお面に手をかけたあの夜のことを振り返る「ある夜の重力」。50万円と引き換えに誕生日を手放してしまった渕上がたどり着いた先には…「7月2日、夜の島で」。「たべるのがおそい」掲載の「エスケイプ」の4編を収録。

ALL REVIEWS経由で書籍を購入いただきますと、書評家に書籍購入価格の0.7~5.6%が還元されます。

初出メディア

ALL REVIEWS

ALL REVIEWS 2018年6月27日

  • 週に1度お届けする書評ダイジェスト!
  • 「新しい書評のあり方」を探すALL REVIEWSのファンクラブ
関連記事
AR事務局の書評/解説/選評
ページトップへ