書評
『埃だらけのすももを売ればよい ロシア銀の時代の女性詩人たち』(書肆侃侃房)
ロシアでは、十九世紀末から二十世紀初頭を特に「銀の時代」と呼ぶ。優れた文学者や芸術家が続々と現れたからだ。この時期には、女性たちも、目覚ましい活躍をするようになった。詩の世界では、若い女性たちが次々に声を上げ、新たな詩の時代の息吹を担うようになった。
本書はその「銀の時代」の女性詩人たちから十五名を選び出し、詩の一部を翻訳して紹介しながら、それぞれの詩人のプロフィールを簡潔ながらも豊かに描き出したものだ。著者は温かい共感によって女性詩人たちを照らし出し、魅力的な姿を浮かび上がらせる。
「私は最後の呼吸のときも詩人でいることだろう!」と絶叫したツヴェターエワや、戦争や粛清といった国家の大事に翻弄されて生き延びたアフマートワのような著名な詩人の他、女の体の痛みを大胆に表現したシカプスカヤ、民主化を求める社会活動に参加しながら「夜明けまえの歌」を歌ったガーリナ、初めてレズビアンであることを公言したパルノークなど。百年の埃(ほこり)を払うと、みずみずしい果実のような詩の言葉が蘇ってくる。
本書はその「銀の時代」の女性詩人たちから十五名を選び出し、詩の一部を翻訳して紹介しながら、それぞれの詩人のプロフィールを簡潔ながらも豊かに描き出したものだ。著者は温かい共感によって女性詩人たちを照らし出し、魅力的な姿を浮かび上がらせる。
「私は最後の呼吸のときも詩人でいることだろう!」と絶叫したツヴェターエワや、戦争や粛清といった国家の大事に翻弄されて生き延びたアフマートワのような著名な詩人の他、女の体の痛みを大胆に表現したシカプスカヤ、民主化を求める社会活動に参加しながら「夜明けまえの歌」を歌ったガーリナ、初めてレズビアンであることを公言したパルノークなど。百年の埃(ほこり)を払うと、みずみずしい果実のような詩の言葉が蘇ってくる。
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