書評

『駄犬道中こんぴら埋蔵金』(小学館)

  • 2018/11/25
駄犬道中こんぴら埋蔵金 / 土橋 章宏
駄犬道中こんぴら埋蔵金
  • 著者:土橋 章宏
  • 出版社:小学館
  • 装丁:単行本(380ページ)
  • 発売日:2017-10-23
  • ISBN:4093864810
内容紹介:
目指すは鼠小僧の埋蔵金!笑劇珍道中第二弾

時は天保元年おかげ年。伊勢へのおかげ参りを無事終えた辰五郎、沙夜、三吉、翁丸は、四国の金毘羅を目指すことに。
京から大坂へと入った一行は、辰五郎のガマの油売りの師匠から「お宝の地図」だという巻物を託される。
そのお宝とは、なんと巷を賑わす大泥棒・鼠小僧の埋蔵金!?
巻物を狙って次々と襲いかかる刺客たち。
三人と一匹は無事に金毘羅へと辿り着き、埋蔵金を手にすることができるのか。
日本アカデミー賞作家が描く、笑いと涙と釣りと博打とご当地グルメ満載の笑劇珍道中。待望のシリーズ第二弾!





ホームドラマに冒険活劇 皆でお宝を探し出せ!

待ってました! 先のお伊勢さま「おかげ参り」に続いて、今回は「こんぴらさま」だ!

「こんぴらさま」とは讃岐(香川県)の金刀比羅宮(ことひらぐう)のこと。由緒あるお宮であったが、戦国時代の兵火により一たん荒廃。ところが江戸時代になるや、全国の民衆のたいへん熱い支持を得た。いってみれば「庶民派の神さま仏さま」であり、当時は「神仏習合」により象頭山金毘羅(ぞうずさんこんぴら)大権現と呼ばれた。「丸金か京六か」という言葉があったそうで、丸金こと金刀比羅宮は、京都六条の東西本願寺と並ぶ参詣のメッカであった。またこのお宮には伊勢神宮と同様に、代参犬、すなわち主人に代わってお参りする犬が多くやって来ていた。

江戸城大奥育ちの代参犬・翁丸(おきなまる)、気ままな遊び人の辰五郎、実の親に捨てられた三吉、婚家をいびり出されたお沙夜。三人と一匹は伊勢から讃岐へと旅する。辰五郎とお沙夜を父ちゃん母ちゃんと呼ぶ三吉がけなげで、母親役をしっかり務めるお沙夜が可憐(かれん)で、「やい辰五郎、てめえがしっかりしさえすりゃあ、良い家族が出来上がるじゃねえか。性根を据えろい、この唐変木!」と読者は幾度となく気をもむことになる。さて、彼らは本当の家族になれるのだろうか。それは読んでのお楽しみ。

今回はゲストが豪華である。歌川広重に良寛和尚、それに鼠小僧次郎吉とくる。金刀比羅宮には鼠小僧のお宝が眠っている。さあ、そいつを探し出せ、というのだが、タネ明かしがまた秀逸。ちょっとだけ紹介すると、ミイラが出てくるんだな。

コメディータッチのホームドラマに、ミイラ+お宝(気分はインディ・ジョーンズ?)の冒険活劇。それから忘れちゃならない名脇役、ワン公・翁丸。いやあ実に面白い。時を忘れて読みふけること請け合いの一冊!
駄犬道中こんぴら埋蔵金 / 土橋 章宏
駄犬道中こんぴら埋蔵金
  • 著者:土橋 章宏
  • 出版社:小学館
  • 装丁:単行本(380ページ)
  • 発売日:2017-10-23
  • ISBN:4093864810
内容紹介:
目指すは鼠小僧の埋蔵金!笑劇珍道中第二弾

時は天保元年おかげ年。伊勢へのおかげ参りを無事終えた辰五郎、沙夜、三吉、翁丸は、四国の金毘羅を目指すことに。
京から大坂へと入った一行は、辰五郎のガマの油売りの師匠から「お宝の地図」だという巻物を託される。
そのお宝とは、なんと巷を賑わす大泥棒・鼠小僧の埋蔵金!?
巻物を狙って次々と襲いかかる刺客たち。
三人と一匹は無事に金毘羅へと辿り着き、埋蔵金を手にすることができるのか。
日本アカデミー賞作家が描く、笑いと涙と釣りと博打とご当地グルメ満載の笑劇珍道中。待望のシリーズ第二弾!





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初出メディア

サンデー毎日

サンデー毎日 2018年2月18日号

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