解説
『ガセネッタ&シモネッタ』(文藝春秋)
どんな珍談も奇談も起こりうる同時通訳の現場を、米原万里は〈喜劇の現場〉と名付けた。奇妙なことに、その現場で、はたらいている彼女の仲間たちは、そろってダジャレや下ネタが得意だった。なぜだろう。
愛すべき仲間たちのドタバタ騒ぎをいきいきと写しながら、米原はそのダジャレや下ネタを材料に、人間の言語活動の本質に迫って行く。読者の腹の皮をよじらせておいて、ずばりとモノゴトの本質を衝(つ)くという米原の方法は、ここでもあざやかに極っている。なお、「鉄のカーテン」のくだり(文春文庫版一二五~一二七ページ)はとくに注目に値する。米原の取材法がよくわかる。
【この解説が収録されている書籍】
愛すべき仲間たちのドタバタ騒ぎをいきいきと写しながら、米原はそのダジャレや下ネタを材料に、人間の言語活動の本質に迫って行く。読者の腹の皮をよじらせておいて、ずばりとモノゴトの本質を衝(つ)くという米原の方法は、ここでもあざやかに極っている。なお、「鉄のカーテン」のくだり(文春文庫版一二五~一二七ページ)はとくに注目に値する。米原の取材法がよくわかる。
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