前書き

『月のワーク:月とつながり、月の恵みを引き寄せるガイドブック』(原書房)

  • 2021/05/14
月のワーク:月とつながり、月の恵みを引き寄せるガイドブック / サラ・フェイス・ゴッテスディナー
月のワーク:月とつながり、月の恵みを引き寄せるガイドブック
  • 著者:サラ・フェイス・ゴッテスディナー
  • 翻訳:上京 恵
  • 出版社:原書房
  • 装丁:単行本(ソフトカバー)(352ページ)
  • 発売日:2021-03-20
  • ISBN-10:4562059133
  • ISBN-13:978-4562059133
内容紹介:
女性の意識と生活に変容をもたらし幸運を引き寄せる「月のワーク」。5万人以上にメソッドをコーチしたリーダー的存在によるガイド。
人々の意識と生活に変容をもたらし、幸運を引き寄せるメソッド「月のワーク」。アメリカ、カナダ、イギリスで大流行中のこのワークを実践し、自分だけが持つ知恵とつながり、知恵を解き放ちましょう。その方法を詳しく記した書籍『月のワーク』より序文を公開します。 

なぜ月なのか?

月は天界にあって世界を支える錨だから。地球の軸が安定しているのは、月に引力があるおかげです。月は予測可能でありながら自由奔放な存在。月には四季に対応した独自のリズムがあるから。導きを求めて月を見れば、わたしたちも自分自身のリズムを見いだせます。わたしたちは自分の中に月を感じられるから。月は、共感しなさい、記憶を呼び覚ましなさい、とわたしたちに呼びかけます。太古の人々は月の動きに従って生活しました。その血はいまでも、わたしたちの中に脈々と受け継がれています。そこには、わたしたち自身のリズムやサイクル、エネルギーや感情が映し出されています。それらを見ていれば、自らの人間性や本質を思い出せるのです。

月はわたしたちの内面を表しているから――目に見えないもの、感受性、霊的な能力を。水の力を。愛の活力を。包装して売ることのできない複雑なものすべてを。月の女神は夜に光をもたらし、深層心理の住処である潜在意識の闇を照らすから。占星術でも、心理学でも、一部の神秘的な言い伝えでも、月は潜在意識を象徴しています。潜在意識とは、人の熱望や恐怖の源、意識的な行動の裏にある物語や動機が姿を現すところ。潜在意識を方向づけようと決意すれば、考え方が変わります。考え方が変われば、行動が変わります。行動が変われば、人生が変わります。

家父長制を解体するために

月のワークは、わたしたちが心の奥底にあるパターンをのぞき込み、それについて内省し、自らを解放させる手助けをしてくれます。月は、わたしたちが自分だけの真実や具体的な欲求を見いだすのに役立つツールです。自分だけが持つ知恵とつながり、知恵を解き放つのを助けてくれます。

かつて、この惑星は月の動きに従って暮らしていました。暦は太陰暦でした。わたしたちは月に従って植物を栽培し、季節や星座の動きに合わせて意思決定をしました。やがて、戦争や暴力や植民地化の時代を経て、太陽に従う生活が優勢になりました。それは営利を追求する、二者択一的な、外向きの競争意識のもとにある生活です。工業化は多くの人を自然から遠ざけ、月に従う生活を衰退させました。直観、未知のもの、循環や神秘に重きを置くのではなく、それらを怖がり、存在しないものとして扱うようになったのです。説明できないものはコントロールできません。コントロールできないものは危険視され、搾取され、閉じ込められ、排除されました。マイノリティたちが。女性性が。野生の女が。魔女が。

でも、野生の女、魔女は戻ってきたのです。魔女の季節がふたたび訪れます。月は昔から、わたしたちの象徴でした。エジプト神話の女神ハトホルが戴冠したときから、古代ギリシアの詩人サッポーが抒情詩を書いたときから、ギリシア神話の女神ヘカテの魔術を崇める石の神殿が初めて築かれたときから。ほうきに乗って満月を横切って飛ぶ魔女。夜の闇が舞い踊る空き地で癒しの薬をぐつぐつ煮出す大釜。月がここにいるのは、神聖なものはすべて戻ってくると思い出させるためです(実は、最初からずっとそこにあったのです)。

いまわたしたちがここにいるのは、家父長制を解体するためです――ともに行動しなくては。わたしたちのものの見方や会話や行動や協力がきっかけとなって、支援や理解や共感を得るソフトパワーや、変化、そして魔法の新たな波が生まれています。思いやりにあふれた新たな生き方を知ってそれを熱望するすべての人々のために――疎外され、罰せられ、管理されていると感じているすべての人、単に自分らしく生きているだけで虐待されたり除け者にされたりしているすべての人々のために。

月は、わたしたちの野生へのラブレターです。月を見れば、たとえ何かに従わされ思うようにならない身の上にあっても、自分にはそれを跳ね返す力があることを思い出せます。すべての女性に内在する力、わたしたちのソフトパワーを認識できるようになります。それは人を支配する力ではなく、人と連帯する力、自らの中にある力。自分自身の中にある魔法を養成し、明るみに出すことがフェミニスト・アートです。わたしたちは自らのパワーを活用して、すべての人を向上させるためにそれにチャネリングします。ほかの人々が才能をのばすのに協力し、互いに助けあい、ほかの人の美しさを自分に映し出します。月は日光を投影して変容させます。わたしたちは互いに自分自身を相手に投影して、集団としての変容を目撃するのです。

 

姿を変え続ける月とともに

原初の昔より、芸術家は月独特の光を理解可能な言語に翻訳しようと努めてきました。月はいまなお、なんらかの形で、わたしたちを書物へ、楽器へ、イーゼルへといざないます。月がインスピレーションを与えてくれるのは、月のサイクルが創造的プロセスの青写真となっているからでしょう。

わたしたちには夢が、ヴィジョンが、インスピレーションがあります。わたしたちは新月の位相にいます。火花は炎になります。わたしたちは腕まくりをして、何もないところから物質を引き出します。勢いをつけ、築きあげます。満ちていく月のエネルギーを受け入れます。訓練を重ね努力を繰り返せば、それは形となって現れます。わたしたちは祝福し、分かちあい、明るく輝きます。ほかの人々はわたしたちの輝きを目の当たりにします。わたしたちは満月の位相の支配下にあるのです。

魔法は現実に存在するから。月の魔法は強力です。月のサイクルに沿って行動すれば、月はわたしたちの目標や夢をかなえてくれます。自然のプロセスに従うとき、わたしたちの力は正しい方向に導かれます。収穫のサイクルに続く休息のサイクルは、浄化と内省に費やす時間となります。自分なりの成功の定義に従って試行し、自分の能力が発揮されてすべてがうまく進んでいると感じられる精神状態を尊重したとき、嬉しい驚きに出合えるでしょう。

時間は直線的ではなく、わたしたちの人生も直線的ではないから。月の光に従うのは、二者択一とは異なる道を行くこと。二元論に打ち勝つこと。月の光には螺旋が内包されています。再生に先立つ死を認識しています。この自然のプロセスと調和し、それに従うことができたなら、変化にも巧みに対処できるのです。

月のワークを行えば、異なるパラダイムからも有意義な選択肢を見つけ、自分の意識状態のレベルや層をよりいっそう統合して理解できるようになります。


自分の望みを見つけよう

本書は月のサイクルを総合的に利用する方法の基本を紹介します。月の満ち欠けのそれぞれの位相をどう利用するかについて、さまざまな提案を行います。また本書では、月の位相というレンズを通して、あなた自身のサイクル――エネルギーのサイクル、個人的なサイクル、感情的なサイクル――との関係を築く方法もお教えします。外部から情報を得たり影響を受けたりせず、自分ひとりでしばらくこのワークを行うことをおすすめします。自分自身のフローやエネルギーのパターンに耳を傾ける時間と空間を確保しましょう。月との個人的な関係を築きましょう。

本書は魔法の実践者・教師・研究者・プロフェッショナルな霊能者兼タロット占い師・アーティストとしての、過去20年にわたるわたしの人生経験から生まれたものです。わたしはフェミニストでセクシャルマイノリティで、シスジェンダーの白人女性です。この生い立ちが意識的・無意識的にわたしの考え方に反映されているでしょう。それゆえに、ここで示した考えや表現すべてに読者のみなさまが共鳴してくださるとはかぎりません。けれども、わたしたちにできる最も重要なワークのひとつは、すべてを鵜呑みにすることなく自分の頭で考え、心に響いて自分のためになると思うものを探究することです。あなたはこの本に書かれていることのうち気に入ったものを採用し、それ以外のものは捨ててください。

自分はいったい何者か、いったい何を望んでいるのかをあなたが思い出すのをお手伝いし、どうしたらそこに到達できるかをお教えできることを願って、本書を著しました。あなたが自分自身の大切な道を、自信を持って歩けるようにするさまざまなツールをご提供したいと思っています。あなたは素晴らしくパワフルで、根本的に価値のある存在です。だからわたしが紹介する月という道標は、あなたのサイクルに、あなたの才能に、あなたの直観に、魔法の世界に、入り組んだ宇宙に、あなたがすでにどれほどつながっているかを教えてくれるでしょう。

[書き手]サラ・フェイス・ゴッテスディナー(著者)
月のワーク:月とつながり、月の恵みを引き寄せるガイドブック / サラ・フェイス・ゴッテスディナー
月のワーク:月とつながり、月の恵みを引き寄せるガイドブック
  • 著者:サラ・フェイス・ゴッテスディナー
  • 翻訳:上京 恵
  • 出版社:原書房
  • 装丁:単行本(ソフトカバー)(352ページ)
  • 発売日:2021-03-20
  • ISBN-10:4562059133
  • ISBN-13:978-4562059133
内容紹介:
女性の意識と生活に変容をもたらし幸運を引き寄せる「月のワーク」。5万人以上にメソッドをコーチしたリーダー的存在によるガイド。

ALL REVIEWS経由で書籍を購入いただきますと、書評家に書籍購入価格の0.7~5.6%が還元されます。

  • 週に1度お届けする書評ダイジェスト!
  • 「新しい書評のあり方」を探すALL REVIEWSのファンクラブ
関連記事
原書房の書評/解説/選評
ページトップへ