書評

『ヨロコビ・ムカエル?』(白水社)

  • 2024/02/02
ヨロコビ・ムカエル? / 小野 正嗣
ヨロコビ・ムカエル?
  • 著者:小野 正嗣
  • 出版社:白水社
  • 装丁:単行本(146ページ)
  • 発売日:2018-09-04
  • ISBN-10:4560094195
  • ISBN-13:978-4560094198
内容紹介:
〈歓待〉をめぐる新たな寓話「それが自分であってもおかしくない困難に置かれたひとびとを、僕たちは歓びとともに迎えることができるでしょうか」――『九年前の祈り』の芥川賞作家・小野正嗣… もっと読む
〈歓待〉をめぐる新たな寓話

「それが自分であってもおかしくない困難に置かれたひとびとを、僕たちは歓びとともに迎えることができるでしょうか」――『九年前の祈り』の芥川賞作家・小野正嗣が初めて挑む注目の書き下ろし戯曲『ヨロコビ・ムカエル?』は、彼のふるさと・大分を経めぐっての体験から生まれた真摯な問いから誕生した。
美しい少女ヨロコビと、車椅子の老夫婦オジイとオバアの謎のトリオが、とある村にやってくる。村の大人も子供も、彼らを前に戸惑うばかり。もうすぐ村に「聖なる神輿」の行列が訪れるというのに……。
村の知識人たるシェンシェイほか、ヨロコビ以外のすべての者らの〈分身〉たちも乱入し、笑い、泣き、叫び、踊る、果てしなき饗宴がはじまる。そんな怒濤の物語の行方は?
今年10月「第33回国民文化祭・おおいた2018」「第18回全国障害者芸術・文化祭おおいた大会」のオープニングを飾る作品として、300人の県民によって上演される戯曲『ヨロコビ・ムカエル?』に、本作を成立させた世界/文学/故郷をめぐる深い省察を記す、著者自身による名エッセイ「ふるさとの『歓待』」を併録。歓びを待つひとびとのために必読の一冊である。

演劇の「故郷」構成する戯曲

小説家・小野正嗣が初めて挑戦した戯曲が、彼の故郷の大分で上演される前に、単行本になって我々の手元に届いた。

小野にとって故郷は重要なテーマだ。それは本当の生地の大分を指すと同時に、彼が5年を過ごしたパリのある家をも意味している。彼が住んでいた家では、複数の移民や難民を受け入れてきた、という。つまり、故郷とは、小野にとってはまず、誰かを歓待する場所のことなのだ。

戯曲には「ヨロコビ」という名の少女、「オジイ」と「オバア」、そして村の衆が登場する。オノマトペの多い台詞が、どのように演劇の「故郷」を構成するのか、どうしても芝居を観てみたい。そんな気になる一篇。



ヨロコビ・ムカエル? / 小野 正嗣
ヨロコビ・ムカエル?
  • 著者:小野 正嗣
  • 出版社:白水社
  • 装丁:単行本(146ページ)
  • 発売日:2018-09-04
  • ISBN-10:4560094195
  • ISBN-13:978-4560094198
内容紹介:
〈歓待〉をめぐる新たな寓話「それが自分であってもおかしくない困難に置かれたひとびとを、僕たちは歓びとともに迎えることができるでしょうか」――『九年前の祈り』の芥川賞作家・小野正嗣… もっと読む
〈歓待〉をめぐる新たな寓話

「それが自分であってもおかしくない困難に置かれたひとびとを、僕たちは歓びとともに迎えることができるでしょうか」――『九年前の祈り』の芥川賞作家・小野正嗣が初めて挑む注目の書き下ろし戯曲『ヨロコビ・ムカエル?』は、彼のふるさと・大分を経めぐっての体験から生まれた真摯な問いから誕生した。
美しい少女ヨロコビと、車椅子の老夫婦オジイとオバアの謎のトリオが、とある村にやってくる。村の大人も子供も、彼らを前に戸惑うばかり。もうすぐ村に「聖なる神輿」の行列が訪れるというのに……。
村の知識人たるシェンシェイほか、ヨロコビ以外のすべての者らの〈分身〉たちも乱入し、笑い、泣き、叫び、踊る、果てしなき饗宴がはじまる。そんな怒濤の物語の行方は?
今年10月「第33回国民文化祭・おおいた2018」「第18回全国障害者芸術・文化祭おおいた大会」のオープニングを飾る作品として、300人の県民によって上演される戯曲『ヨロコビ・ムカエル?』に、本作を成立させた世界/文学/故郷をめぐる深い省察を記す、著者自身による名エッセイ「ふるさとの『歓待』」を併録。歓びを待つひとびとのために必読の一冊である。

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初出メディア

日本経済新聞

日本経済新聞 2018年10月4日

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