書評

『アケメネス朝ペルシア- 史上初の世界帝国』(中央公論新社)

  • 2024/03/26
アケメネス朝ペルシア- 史上初の世界帝国 / 阿部 拓児
アケメネス朝ペルシア- 史上初の世界帝国
  • 著者:阿部 拓児
  • 出版社:中央公論新社
  • 装丁:新書(288ページ)
  • 発売日:2021-09-17
  • ISBN-10:4121026616
  • ISBN-13:978-4121026613
内容紹介:
2500年前、アジア・アフリカ・ヨーロッパの三大陸にまたがる「史上初の世界帝国」として君臨したアケメネス朝ペルシア。エジプト侵攻やペルシア戦争など征服と領土拡大をくり返し、王はアフラ… もっと読む
2500年前、アジア・アフリカ・ヨーロッパの三大陸にまたがる「史上初の世界帝国」として君臨したアケメネス朝ペルシア。エジプト侵攻やペルシア戦争など征服と領土拡大をくり返し、王はアフラマズダ神の代行者として地上世界の統治に努めた。古代オリエントで栄華を極めるも、アレクサンドロス大王によって滅ぼされ、220年の歴史は儚く幕を閉じた。ダレイオス1世ら9人の王を軸に、大帝国の全貌と内幕を描き出す。
最初の「世界帝国」はどれかという論争があるらしい。紀元前七世紀前半にオリエントを統一したアッシリア帝国と紀元前六世紀後半に統一したペルシア帝国ではどちらが最初かというのだから、愚問と思えるのだが。

ところが、『アケメネス朝ペルシア』は副題に「史上初の世界帝国」と銘うって事の顚末を説明する。

出自不明の創設者キュロス二世、狂気じみたカンビュセス二世につづいて登場したダレイオス一世はペルシア帝国を完成させる。そこには、アジア・アフリカ・ヨーロッパの三大陸にまたがる世界帝国が現出した。この大王の即位後、ベヒストゥーン山の磨崖壁(まがいへき)に刻まれた碑文は自身の業績録である。古代ペルシア語・エラム語・アッカド語でダレイオスの功績がつづられているが、地上六メートルの高さにあるために、崖下から誰も読みとれないらしい。

ところで、紀元前五世紀前半、ダレイオスは息子のクセルクセスとともに、名高いペルシア戦争をはじめた。おそらく「真」の世界帝国にとって魅力のない「偽」の小国ギリシアの征服など大したことではなかったのかもしれない。
アケメネス朝ペルシア- 史上初の世界帝国 / 阿部 拓児
アケメネス朝ペルシア- 史上初の世界帝国
  • 著者:阿部 拓児
  • 出版社:中央公論新社
  • 装丁:新書(288ページ)
  • 発売日:2021-09-17
  • ISBN-10:4121026616
  • ISBN-13:978-4121026613
内容紹介:
2500年前、アジア・アフリカ・ヨーロッパの三大陸にまたがる「史上初の世界帝国」として君臨したアケメネス朝ペルシア。エジプト侵攻やペルシア戦争など征服と領土拡大をくり返し、王はアフラ… もっと読む
2500年前、アジア・アフリカ・ヨーロッパの三大陸にまたがる「史上初の世界帝国」として君臨したアケメネス朝ペルシア。エジプト侵攻やペルシア戦争など征服と領土拡大をくり返し、王はアフラマズダ神の代行者として地上世界の統治に努めた。古代オリエントで栄華を極めるも、アレクサンドロス大王によって滅ぼされ、220年の歴史は儚く幕を閉じた。ダレイオス1世ら9人の王を軸に、大帝国の全貌と内幕を描き出す。

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初出メディア

毎日新聞

毎日新聞 2022年2月19日

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