書評

『LEAN IN(リーン・イン) 女性、仕事、リーダーへの意欲』(日本経済新聞出版社)

  • 2018/03/18
LEAN IN 女性、仕事、リーダーへの意欲 / シェリル・サンドバーグ
LEAN IN 女性、仕事、リーダーへの意欲
  • 著者:シェリル・サンドバーグ
  • 出版社:日本経済新聞出版社
  • 装丁:ハードカバー(304ページ)
  • 発売日:2013-06-26
  • ISBN:4532318971
内容紹介:
新規大卒者の50%が女性となってから30年が経過したにもかかわらず、いまだにアメリカの政府や企業のリーダーの大多数は男性です。つまり、社会生活に大きな影響を与える決定において、女性の声が平等に反映されにくい状況が続いているのです。この問題は、日本ではより顕著です。なぜ女性リーダーが生まれにくいのでしょう?その原因はどこにあるのでしょう?フェイスブックのCOOが書いた全米大ベストセラーの話題作。その「一歩」を踏み出せば、仕事と人生はこんなに楽しい。

まずは家事の分担!

セクハラ、パワハラ、モラハラに続き、最近はマタハラというのがあるそうだ。マタニティー・ハラスメント。妊婦いじめである。妊娠したと告げられた上司や経営者がキレる。ギリギリの人員でやっているのだから、産休や育休なんてもってのほかというわけだ。21世紀になったのに、いまだに女性が働く環境はよくない。家事や育児や介護などについて、男女の負担の差は依然として大きい。ひどいのは日本だけでなく、アメリカも五十歩百歩らしい。

『リーン・イン』の著者、シェリル・サンドバーグはフェイスブックのCOO(最高執行責任者)。成功者の自慢話か、体験をもとにした自己啓発書かと思って、眉に唾して読みはじめたのだが、まったく違う。アメリカ社会において女性が仕事をしていくことがいかに困難か、そしてそれを突破するにはどうしていけばいいかを考える本である。

書名の意味は、「(風に逆らって)前に進め」というような感じか。あるいは「(遠慮しないで)身をのり出そう」かもしれない(もっと分かりやすい日本語の書名をつけられなかったのだろうか)。

優秀な女性たちは、自分たちの優秀さについて、一種の罪悪感を抱いているという。(愚鈍な男たちより)優秀でスミマセンと。男女差別が社会の隅々まで染みついていて、人びとは生まれた時から刷り込まれている。女性はまず、この内なる敵と闘わなければならないのだ。

ある人が、女性のキャリアアップに男性ができることを問われ、「洗濯」と答えたというエピソードには笑うと同時に深く納得した。社会的な制度をどうこうすることも大事だが、その前に家事の分担をということだ。男性は自分を働かせすぎる会社や社会と闘わなければならない。男性であるぼくには耳の痛い話ばかりだ。

べつに少子化なんてどうでもいいけど、働きたい人が働けない世の中は、つまらないと思う。
LEAN IN 女性、仕事、リーダーへの意欲 / シェリル・サンドバーグ
LEAN IN 女性、仕事、リーダーへの意欲
  • 著者:シェリル・サンドバーグ
  • 出版社:日本経済新聞出版社
  • 装丁:ハードカバー(304ページ)
  • 発売日:2013-06-26
  • ISBN:4532318971
内容紹介:
新規大卒者の50%が女性となってから30年が経過したにもかかわらず、いまだにアメリカの政府や企業のリーダーの大多数は男性です。つまり、社会生活に大きな影響を与える決定において、女性の声が平等に反映されにくい状況が続いているのです。この問題は、日本ではより顕著です。なぜ女性リーダーが生まれにくいのでしょう?その原因はどこにあるのでしょう?フェイスブックのCOOが書いた全米大ベストセラーの話題作。その「一歩」を踏み出せば、仕事と人生はこんなに楽しい。

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初出メディア

週刊朝日

週刊朝日 2013年8月9日

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