芥氏は先年公開の映画『三島由紀夫vs東大全共闘』で再び注目されている。氏の戯曲「灰と、灰の灰」、東大の学生諸君や宮台真司氏との討論、若い世代の人びととの13回にわたる連続ゼミ、ラジオ番組に出演したトークの記録、…。二○二○年以降の活動がすべて収められた。
今日の世界は、惑星規模の犯罪のシンジケートが統合され…すべてが“利潤追求”によって正当化され…る。…世界は沈黙する石のままである。…爆発する石…。…「希望」は発現しつつある。
こうのべる芥氏は惜しみなく若者に言葉を与え、彼らと対話が成立している。これが希望でなくて何だろう。芥氏が私の古い友人だから言うのではない。本書が定価の十倍、いや百倍の四五万円で買われたとしても驚かない。ここには真実が書いてあるのだから。