前書き
『プリンセスの魔法のレシピ:おとぎ話から生まれた36の料理』(原書房)
シンデレラ、白雪姫、眠れる森の美女、ラプンツェル――世界中で愛される物語の絵本には印象的な料理が登場します。“お料理の名場面”から生まれた、36品のレシピを集めた『プリンセスの魔法のレシピ』から、はじめにを公開します。
そんなおとき話の中には、ときおり印象的な食事のシーンが登場します。階級を超えてともに食卓を囲む温かさ、誰かを励まし勇気づけるために腕を振るう、けなげなプリンセスたちの姿――たとえば、貧しい老女のためにシンデレラが差し出したスープ、こびとたちとアップルパイを作る白雪姫、ヘンゼルが魔女と焼いたクッキー、かぐや姫の月見団子。ページをめくると、「あれ? このお話にこんな料理のシーンがあったかな」と、お気づきになることでしょう。そう実は、おとぎ話は国や時代、語り手によってさまざまなバージョンが存在します。『シンデレラ』の物語ひとつをとっても、その数は無数にあるのです。本書では、そうしたさまざまな時代や国で描かれたおとぎ話の中の“食”の場面にインスピレーションを受けた、かわいらしくておいしいオリジナルレシピをご紹介しています。なかにはマナーブックや広告什器に登場した料理もあり、絵本という枠を超えて“物語の中の食”の魅力をお楽しみいただければと思います。
物語の中の料理を実際に作ってみることで、おとぎ話の新たな魅力を再発見できるだけでなく、プリンセスたちのように誰かのために料理をしたり、自分の得意なことを見つけたりするきっかけにもなるかもしれません。本書には、レシピのほかにも物語にまつわるちょっとした豆知識も添えています。食卓を囲むひとときが物語の世界とつながり、日常に彩りを添えますように。
[書き手]川田雅直(シンデレラ研究家)
アンティーク絵本に描かれたプリンセスの物語を「味わう」
私は長年にわたり、世界中のおとぎ話の絵本を集めてきました。20世紀の本が多いのですが、本書に登場する最も古い本は18世紀紀に出版されたものです。時代を問わず、絵本には絵があり、文字があり、物語がある――絵本は、最も身近な“総合芸術”だと思います。何度ページを開いても心がワクワクしますし、絵や文章には想像力を広げる余白があり、読み手を物語の世界へと誘ってくれます。世界中のアーティストが心を込めて作り上げた絵本の世界はどれも本当に素晴らしく、気がつけば30年以上、集め続けてきました。そんなおとき話の中には、ときおり印象的な食事のシーンが登場します。階級を超えてともに食卓を囲む温かさ、誰かを励まし勇気づけるために腕を振るう、けなげなプリンセスたちの姿――たとえば、貧しい老女のためにシンデレラが差し出したスープ、こびとたちとアップルパイを作る白雪姫、ヘンゼルが魔女と焼いたクッキー、かぐや姫の月見団子。ページをめくると、「あれ? このお話にこんな料理のシーンがあったかな」と、お気づきになることでしょう。そう実は、おとぎ話は国や時代、語り手によってさまざまなバージョンが存在します。『シンデレラ』の物語ひとつをとっても、その数は無数にあるのです。本書では、そうしたさまざまな時代や国で描かれたおとぎ話の中の“食”の場面にインスピレーションを受けた、かわいらしくておいしいオリジナルレシピをご紹介しています。なかにはマナーブックや広告什器に登場した料理もあり、絵本という枠を超えて“物語の中の食”の魅力をお楽しみいただければと思います。
物語の中の料理を実際に作ってみることで、おとぎ話の新たな魅力を再発見できるだけでなく、プリンセスたちのように誰かのために料理をしたり、自分の得意なことを見つけたりするきっかけにもなるかもしれません。本書には、レシピのほかにも物語にまつわるちょっとした豆知識も添えています。食卓を囲むひとときが物語の世界とつながり、日常に彩りを添えますように。
[書き手]川田雅直(シンデレラ研究家)
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