『用心棒日月抄』(新潮社)
古屋 美登里
この欄で時代小説を取り上げたことはなかった。わたし自身、時代小説を読むようになったのは三十を過ぎてからで、それまではどういうわけか、時代小…
書評
訳書に、エドワード・ケアリー「アイアマンガー3部作」第1巻『堆塵館』、第2巻『穢れの町』(以上東京創元社)、デイヴィッド・フィンケル『帰還兵はなぜ自殺するのか』『兵士は戦場で何を見たのか』(以上亜紀書房)、L・M・ステッドマン『海を照らす光』(ハヤカワepi文庫)、イーディス・パールマン『双眼鏡からの眺め』(早川書房)、ダニエル・タメット『ぼくには数字が風景に見える』(講談社)ほか多数。
この欄で時代小説を取り上げたことはなかった。わたし自身、時代小説を読むようになったのは三十を過ぎてからで、それまではどういうわけか、時代小…
写真というのは悲しいものである。写真には一瞬の時がそのままフリージングされている。その瞬間に漂っていた匂い、注いでいた陽の光、影、流れてい…
タイトルがいいではありませんか。わたしはこのタイトルに惚れたなあ。でも「本が好き」というのが大前提だから、悪口を言うのだけが好きという人に…
レーモン・クノー『文体練習』を、是非とも書店で一度は手にとって眺めてみてほしい。体裁のわりには値段の高い本であるから、無理に買えとは言わな…
読書の秋である。どうせなら良質の本を読みたい。 大学時代、ある先生がこう言われたのをいまでも覚えている。 「きみたちは若いから、まだまだ時間…
いつか終わりがくる だからこそ美しい血液感染の病気が世界に蔓延(まんえん)し、人類のほとんどが滅びてから九年。主人公のヒッグは、小さな飛行…