前書き

そんなに読んで、どうするの? --縦横無尽のブックガイド(アスペクト)

  • 2017/10/02
そんなに読んで、どうするの? --縦横無尽のブックガイド / 豊崎 由美
そんなに読んで、どうするの? --縦横無尽のブックガイド
  • 著者:豊崎 由美
  • 出版社:アスペクト
  • 装丁:単行本(560ページ)
  • 発売日:2005-11-29
  • ISBN:4757211961
内容紹介:
闘う書評家&小説のメキキスト、トヨザキ社長、初の書評集!純文学からエンタメ、前衛、ミステリ、SF、ファンタジーなどなど、1冊まるごと小説愛。怒濤の239作品! 560ページ!!★某大作家先生が激怒した伝説の辛口書評を特別袋綴じ掲載 !!★

※書店によっては、在庫の無い場合や取り扱いの無い場合があります。あらかじめご了承ください。
※詳しい購入方法は、各ネット書店のサイトにてご確認ください。

トヨザキ社長の前口上 江頭2:50的読書世界へようこそ

すみません、こんなブ厚い本になっちゃって。でも、それでも削りに削りまくって、一〇分の一程度に押さえたんですのよ。とは申しますものの、ツラの皮の厚いこと細木数子のごときわたくしだって、さすがにこの本を頭からケツに向かって全部読みゃあがれなどとは申しません。申せません。

というわけで、興味のあるとこだけ読めるように工夫してみましたの。巻末をご覧あそばせ。☆だの○だのついた表がございましょ?〈家族〉〈恋愛〉〈友情〉〈青春〉〈少年・少女〉〈動物・クリーチャーなど〉〈歴史・時間・記憶〉〈犯罪〉〈センス・オブ・ワンダー〉〈言葉〉〈笑い〉〈落涙〉〈ジェンダー〉〈間テクスト性〉〈群像劇〉〈都市・街〉〈時事性〉〈冒険〉〈食〉〈旅〉〈批評〉取り上げた本の読みどころを二一項目に分類してみたんですの。読む前と後とでは世界を見る目が変わるほどの驚き(センス・オブ・ワンダー)を伴う青春小説なら古川日出男の『サウンドトラック』。文学の技巧が凝らされている(間テクスト性)ミステリー(犯罪)なら莫言(モー・イェン)の『酒国』。腹抱えて笑える恋愛小説なら辻仁成の『刀』。そんな具合に、読みたい本を探していただけるようにしてみたので、どうぞお役立て下さいまし。

で、こうやって分類しているうちにわかったことがございました。これまで自分のことを、エンターテインメントから純文学まで、ジャンルや国内外の別にとらわれない雑食系だと思っていましたし、実際、目次だけ見れば笑っちゃうほど節操がないのは一目瞭然なんではありますが、それでも好きな傾向というものはあったらしく、それが〈センス・オブ・ワンダー〉と〈笑い〉だったんですの。フランスに希代のディレッタント作家、ロミという人がいるんですが、その著書『突飛なるものの歴史』(作品社)に寄せた種村季弘さんの序文中に、わたくしが言いたいことがそのままございます。

機械的に反覆される慣習の世界に囲い込まれないものがある。それが何かの拍子にひょいととびだしてきて、まるで自明のもののようにそこらに転がっている。これほど不安な、あるいはむしろ不穏といってもいい光景もないだろう。たとえ当の突飛なものがたった一つのオブジェにすぎなくても、その背後には、このオブジェを一部分に組み込んだもう一つの世界システムがひろがっているかもしれない。とすれば当のオブジェを承認した瞬間に、そのかくされていた世界が起き上がってきて、これまで自明と思われていた慣習の世界を覆滅的に呑み込み裏返してしまうのではあるまいか。(略)同時に、一見不変不動に見えた慣習の世界から逸脱して、そこから慣習世界を見返すとなにがしかの滑稽感が湧いてくる。これまでこれこそが現実とばかり思っていた世界のほうが、逆に慣習の先入見にがんじがらめにされた〈幻想〉だったのだ。(略)そう気がついて、思わず笑いだしたくなってくる

この文章をトヨザキ社長の乱暴な視点で解説してしまうと、江頭2:50なんですの。水中クンバカというヨガの修行にトライして、常軌を逸した長時間、水にもぐり続けた江頭2:50。チョコボールの着ぐるみをまとって、北京だかの街中を中国人民にこづかれながら走り回った江頭2:50。つまり、わたくしは小説に江頭2:50的なものを求めているようなんであります。

そんな人間が書いたブックガイドでも、よろしゅうございます?
そんなに読んで、どうするの? --縦横無尽のブックガイド / 豊崎 由美
そんなに読んで、どうするの? --縦横無尽のブックガイド
  • 著者:豊崎 由美
  • 出版社:アスペクト
  • 装丁:単行本(560ページ)
  • 発売日:2005-11-29
  • ISBN:4757211961
内容紹介:
闘う書評家&小説のメキキスト、トヨザキ社長、初の書評集!純文学からエンタメ、前衛、ミステリ、SF、ファンタジーなどなど、1冊まるごと小説愛。怒濤の239作品! 560ページ!!★某大作家先生が激怒した伝説の辛口書評を特別袋綴じ掲載 !!★

※書店によっては、在庫の無い場合や取り扱いの無い場合があります。あらかじめご了承ください。
※詳しい購入方法は、各ネット書店のサイトにてご確認ください。

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