書評

『ダムダム』(早川書房)

  • 2017/10/18
ダムダム / カーター・ブラウン
ダムダム
  • 著者:カーター・ブラウン
  • 翻訳:田中 小実昌
  • 出版社:早川書房
  • 装丁:文庫(186ページ)
  • ISBN-10:4150723036
  • ISBN-13:978-4150723033
こんなものを推薦した覚えはないのだ。大量のカーター・ブラウン・ミステリから代表作を選ぶとすれば、まあ『ブロンド』『死体置場は花盛り』が妥当な線だろう。しかし、もののはずみでこれになってしまったのです。せいぜい気をつけてお読みください。アル・ウィーラー警部とポルニック部長刑事が殺人事件のあった屋敷に乗り込んでみると、身長ニメートルのブロンドの巨女とかクラゲのように体の曲がる女とか小人の老人とか奇っ怪な芸人の一団がいて、てんやわんやのドタバタ騒動に巻きこまれるお話。映画『怪物団』を想わせるゲテモノだが、カーター・ブラウン流の冗談小説の極致とも言える。「あれっ、この死体、死んでないのかな?」などという訳文がおかしいね。

【この書評が収録されている書籍】
ミステリ絶対名作201  /
ミステリ絶対名作201
  • 出版社:新書館
  • 装丁:単行本(ソフトカバー)(277ページ)
  • 発売日:1995-12-08
  • ISBN-10:4403250106
  • ISBN-13:978-4403250101

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ダムダム / カーター・ブラウン
ダムダム
  • 著者:カーター・ブラウン
  • 翻訳:田中 小実昌
  • 出版社:早川書房
  • 装丁:文庫(186ページ)
  • ISBN-10:4150723036
  • ISBN-13:978-4150723033

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