書評
『パチンコの歴史』(晩聲社)
パチンコは二十世紀の記念すべき発明である。昨年(一九九八年)の事業収入は二十一兆円に達し、パチンコ人口は二千三十万人にものぼるという。嬰児も含めれば、六人に一人がパチンコのファンである。
もし数百年後に二十世紀の日本を振り返るとしたら、まちがいなくパチンコが取り上げられるであろう。現代生活に欠かせないレジャーであるにもかかわらず、その歴史について同時代人はあまり興味を示していないようだ。その空白を埋めたのは周到な調査をもとに書かれた本書である。
どの穴に入賞しても玉が十個出る「オール10」や「オール15」を発明した正村竹一、連発式を開発した菊山徳治をはじめ、パチンコの開発、事業の展開に携わる人物を中心に、ICを使用したパチンコの誕生にいたるまでの歴史が詳細に記されている。技術的な開発はもちろん、景品の変遷、パチンコ店内の設備やサービスの変化、暴力団の介入、警察の対応などパチンコによって引き起こされたさまざまな社会的反応はそのまま戦後の世相を映し出している。
【この書評が収録されている書籍】
もし数百年後に二十世紀の日本を振り返るとしたら、まちがいなくパチンコが取り上げられるであろう。現代生活に欠かせないレジャーであるにもかかわらず、その歴史について同時代人はあまり興味を示していないようだ。その空白を埋めたのは周到な調査をもとに書かれた本書である。
どの穴に入賞しても玉が十個出る「オール10」や「オール15」を発明した正村竹一、連発式を開発した菊山徳治をはじめ、パチンコの開発、事業の展開に携わる人物を中心に、ICを使用したパチンコの誕生にいたるまでの歴史が詳細に記されている。技術的な開発はもちろん、景品の変遷、パチンコ店内の設備やサービスの変化、暴力団の介入、警察の対応などパチンコによって引き起こされたさまざまな社会的反応はそのまま戦後の世相を映し出している。
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