書評

『台湾書店百年の物語: 書店から見える台湾』(エイチアンドエスカンパニー)

  • 2024/02/02
台湾書店百年の物語: 書店から見える台湾 / 台湾独立書店文化協会
台湾書店百年の物語: 書店から見える台湾
  • 著者:台湾独立書店文化協会
  • 翻訳:郭雅暉,永井一広
  • 出版社:エイチアンドエスカンパニー
  • 装丁:単行本(ソフトカバー)(256ページ)
  • 発売日:2022-10-15
  • ISBN-10:4990759699
  • ISBN-13:978-4990759698
内容紹介:
書店と社会は相互に影響し合いながら変化していく。一九〇〇年代から二〇〇〇年代まで。各年代の代表的な書店から描く台湾文化の百年史。「現在のわたしたちにとって、将来どのような書店が… もっと読む
書店と社会は相互に影響し合いながら変化していく。一九〇〇年代から二〇〇〇年代まで。各年代の代表的な書店から描く台湾文化の百年史。

「現在のわたしたちにとって、将来どのような書店が出現するかを予想するのは難しいことだろう。しかし今まで存在していた、あるいは今でも存在している書店を歴史的な観点から眺めることで、書店、特に実店舗の書店が社会にどのような影響を与えているのか、私たちも読者も更に詳しく知ることができるはずだ。
そして書店、特に独立書店は本の販売以外に、この社会にどんなものを創造できるのかについても!」(本文より)
最近は日本の書店のお手本にもなるなど、台湾の書店は個性的で元気がいい。だが、その歴史はまさに波瀾万丈。

台湾の近代書店史である本書は、日本の植民地時代から始まる。1世紀前、台湾の書店の多くは、日本人による日本人のためのものだった。戦争に負けた日本が台湾から出て行き、台湾人による台湾人のための書店ができる。だが、共産党との内戦に敗れた国民党が台湾に撤退してくる。国民党の一党独裁のもと、厳しい言論統制の時代が続く。民主化されるのはわりと最近のことだ。

どんな時代にあっても、本を読みたいという人の衝動は抑えられない。それに応えようという人びとも次々と現れる。あるときは大陸から本を運び、あるときは洋書の海賊版をつくる。出版に事業拡大する書店もある。

21世紀に入ると、デジタルという強敵が現れる。新しい書店が次々と生まれては消えていく。新陳代謝が激しい。

売りたい本を売り、読みたい本を読む。それはいつも当たり前というわけではない。
台湾書店百年の物語: 書店から見える台湾 / 台湾独立書店文化協会
台湾書店百年の物語: 書店から見える台湾
  • 著者:台湾独立書店文化協会
  • 翻訳:郭雅暉,永井一広
  • 出版社:エイチアンドエスカンパニー
  • 装丁:単行本(ソフトカバー)(256ページ)
  • 発売日:2022-10-15
  • ISBN-10:4990759699
  • ISBN-13:978-4990759698
内容紹介:
書店と社会は相互に影響し合いながら変化していく。一九〇〇年代から二〇〇〇年代まで。各年代の代表的な書店から描く台湾文化の百年史。「現在のわたしたちにとって、将来どのような書店が… もっと読む
書店と社会は相互に影響し合いながら変化していく。一九〇〇年代から二〇〇〇年代まで。各年代の代表的な書店から描く台湾文化の百年史。

「現在のわたしたちにとって、将来どのような書店が出現するかを予想するのは難しいことだろう。しかし今まで存在していた、あるいは今でも存在している書店を歴史的な観点から眺めることで、書店、特に実店舗の書店が社会にどのような影響を与えているのか、私たちも読者も更に詳しく知ることができるはずだ。
そして書店、特に独立書店は本の販売以外に、この社会にどんなものを創造できるのかについても!」(本文より)

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初出メディア

毎日新聞

毎日新聞 2023年2月25日

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