書評
『俺がJBだ!―ジェームズ・ブラウン自叙伝』(文藝春秋)
【名著 味読・再読】”イノベーター”とは何か
"ソウル・ブラザーNo.1"の自伝。売春宿で育ち、刑務所暮らしのお定まりの不良コース。そこから心機一転、大スターとなるまでの奇跡を雄弁に語る。JBは掛け値なしのイノべーターだった。好きなことを好きなようにやる。この一貫した姿勢が「ファンク」という力テゴリーの創造をもたらした。外在的な誘因よりも内発的な動因。イノベーションにとって何より大切なものだ。JBはまた自らをシンガーの枠に限定しない。世の中にインパクトを与えるために必要なことは全部やる。曲作り、バンドの管理・統括、ショーの企画・演出など、興行を丸ごと自分の意思で動かす。JBは本来の意味での「経営者」でもあった。イノベーションの経営にとって必要なことが全部ここにある。
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