書評

『「ジュニア」と「官能」の巨匠 富島健夫伝』(河出書房新社)

  • 2018/03/24
「ジュニア」と「官能」の巨匠 富島健夫伝 / 荒川 佳洋
「ジュニア」と「官能」の巨匠 富島健夫伝
  • 著者:荒川 佳洋
  • 出版社:河出書房新社
  • 装丁:単行本(317ページ)
  • 発売日:2017-01-27
  • ISBN-10:4309025412
  • ISBN-13:978-4309025414
内容紹介:
「ジュニア小説」というジャンルをひらき、「官能」の巨匠であった伝説的作家の波瀾万丈の生涯と強烈な個性をえがく初の評伝。

「流行作家」支えた一流の文章 ★★★★☆ 読むべし

富島健夫という作家がいた。今でも覚えている人は多いだろう。ジュニア小説と官能小説を書き続けた「流行作家」だった。

この二つのジャンルは性を描くという共通点こそあるものの、正当な評価を得にくい小説でもあった。事実、富島への評価は、黙殺のそれに近かった。発表媒体の問題もあるが、評論家からは低く見られ、テレビでは酷評された。それでも富島は書き続けた。没するまで一貫して「流行作家」たり続けた。さらに言えば、彼の小説を支えていたのは、一流の文章だった。

生前の富島と親交をもった著者による詳細な評伝は、生い立ちからスキャンダル、その死までを語り尽くす力作。『雪の記憶』や『黒い河』の再評価を!


「ジュニア」と「官能」の巨匠 富島健夫伝 / 荒川 佳洋
「ジュニア」と「官能」の巨匠 富島健夫伝
  • 著者:荒川 佳洋
  • 出版社:河出書房新社
  • 装丁:単行本(317ページ)
  • 発売日:2017-01-27
  • ISBN-10:4309025412
  • ISBN-13:978-4309025414
内容紹介:
「ジュニア小説」というジャンルをひらき、「官能」の巨匠であった伝説的作家の波瀾万丈の生涯と強烈な個性をえがく初の評伝。

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初出メディア

日本経済新聞

日本経済新聞 2017年2月16日

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