書評

『ジョン・コルトレーン『至上の愛』の真実』(音楽之友社)

  • 2017/07/20
ジョン・コルトレーン『至上の愛』の真実 / アシュリー・カーン
ジョン・コルトレーン『至上の愛』の真実
  • 著者:アシュリー・カーン
  • 翻訳:川嶋 文丸
  • 出版社:音楽之友社
  • 装丁:単行本(398ページ)
  • 発売日:2006-02-01
  • ISBN-10:4276232805
  • ISBN-13:978-4276232808
内容紹介:
神に捧げられた不滅の名盤。そのルーツ、制作過程、謎、影響を克明に描く迫真のドキュメンタリー、ついに邦訳登場。
ジャズの名盤の中でも、コルトレーンの『至上の愛』は、最高位の敬意を表されてきた。ところがこのアルバムには謎がある。彼の「黄金のカルテット」は結成期間である3年の間、「マイ・フェイバリット・シングス」をほぼ毎日のように演奏し、無数のライブ盤が流通しているのに、この組曲はほとんど公開演奏されていないのだ。

本書は膨大な資料と新たな証言を巧みに構成することで、この偉大なサックス奏者がR&Bのテナー吹きからマイルス楽団を経て巨人へと成長する過程を追い、ビートを放擲(ほうてき)した晩年までを感動的に描いている。他の曲が錯綜(さくそう)した音楽技術を追求するのに対し、『至上の愛』は彼の幼児からの宗教体験に回帰した点で隔絶しているのだ、という謎解きには納得した。

晩年には練習風景を観客が安く覗(のぞ)けるロフトを探していたとか、オリジナル・テープは廃棄されたといった逸話も満載。
ジョン・コルトレーン『至上の愛』の真実 / アシュリー・カーン
ジョン・コルトレーン『至上の愛』の真実
  • 著者:アシュリー・カーン
  • 翻訳:川嶋 文丸
  • 出版社:音楽之友社
  • 装丁:単行本(398ページ)
  • 発売日:2006-02-01
  • ISBN-10:4276232805
  • ISBN-13:978-4276232808
内容紹介:
神に捧げられた不滅の名盤。そのルーツ、制作過程、謎、影響を克明に描く迫真のドキュメンタリー、ついに邦訳登場。

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初出メディア

朝日新聞

朝日新聞 2006年3月26日

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