書評
『窓の外を見てください』(講談社)
2作目に挑む作家の体験
主人公は作家になったばかりの青年・日高。たまたま書いた短編小説を知人の編集者に見せたところ、運よくデビューできたのだが、問題は2作目。尾道、呉、広島に住む3人の女性に会いに行く、という漠然とした筋を考えていたのだが……。日高の前には次から次へと、魅力的な(というか、いっぷう変わった)人物たちが姿を見せる。妹からベンツを借りようと移動した先で、鰯定食を食べていたら、同じものを食べていた男に話しかけられた。裸を見ようといわれ、ベンチに座ってストリップ小屋の半裸の女性を眺めていると、彼女の知人のピアニストと知り合う……。
片岡義男にしか書けない小説。素晴らしいの一語。
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