書評

『史上最悪の感染症: 結核、マラリアからエイズ、MERS、薬剤耐性菌、COVID19まで』(青土社)

  • 2020/09/10
史上最悪の感染症: 結核、マラリアからエイズ、MERS、薬剤耐性菌、COVID19まで / マイケル・オスターホルム,マーク・オルシェイカー
史上最悪の感染症: 結核、マラリアからエイズ、MERS、薬剤耐性菌、COVID19まで
  • 著者:マイケル・オスターホルム,マーク・オルシェイカー
  • 翻訳:五十嵐 加奈子,吉嶺 英美,西尾 義人
  • 出版社:青土社
  • 装丁:単行本(387ページ)
  • 発売日:2020-08-26
  • ISBN-10:4791772989
  • ISBN-13:978-4791772988
内容紹介:
リチャード・プレストン氏(『ホット・ゾーン』著者)推薦
COVID-19、エボラ、MERS、ジカ熱の流行で明らかになったように、我々は未知のウイルスに対する準備が十分にできていない。これらの敵から身を守るために私たちができること、そしてしなければならないことは何だろうか? 気鋭の疫学者とノンフィクションライターが綴る、今ここにある危機。
COVID-19のパンデミックは、現代のグローバル社会がいかに感染症に対して無防備であるかを明らかにした。マラリア、結核など、先進国では終わったと思われている感染症はいまだに発展途上国で猛威をふるい続け、エイズ、エボラはふたたび大流行を起こしつつある。封じ込められたSARS,MERSも、いつパンデミックを起こしてもおかしくない。そして、家畜への抗生物質の大量投与は、我々を脅かす薬剤耐性菌を日々産み出している……。

疫学の第一人者が語る、感染症の本当の恐ろしさとその対処法。

私たちは本書の出版を、二〇一四年から二〇一六年に西アフリカでエボラウイルス病が流行していたときに提案した。執筆を終えたのは、ジカ熱の流行が太平洋諸島から南北両アメリカへと拡大していたころだ。執筆中に私たちの頭にあったのは、二〇〇二年に東南アジアで始まりカナダへ拡大したSARS(重症急性呼吸器症候群)コロナウイルスの流行であり、二〇〇九年にメキシコから広がったH1N1型インフルエンザの流行であり、二〇一二年にアラビア半島で広がったもうひとつのコロナウイルス感染症、MERS(中東呼吸器症候群)の流行だった。そしてこの新たな序文を書いている現在、世界は二〇一九年の末に突如中国に出現した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックのまっただなかだ。この新型コロナウイルスは、人から人へ感染する経路がインフルエンザのそれとよく似ていて、本書の一九章にあるパンデミックに拡大したインフルエンザ同様、感染者の飛沫やエアロゾル化した微小な粒子に含まれるウイルスを吸い込むことで感染する。では、このような感染症の流行すべてに共通する要素とは何だろうか。

感染症の流行はつねに私たちの虚を突いてきた。本来、虚を突かれるなどということはあってはならないし、次の流行でも―そう、流行はかならずまた訪れる―、その次、さらにその次の流行でも、そんなことはあってはならない。また、本書でも述べたように、そのような流行のなかには、現在の新型コロナウイルスの流行よりもっと大規模で、もっと深刻なものもあるはずで、おそらくそれは、五〇万人から一〇〇万人の命を奪ったといわれる、一九一八年から一九一九年のあのスペイン風邪と同じくらい破壊的な新型インフルエンザだろう。だがそのインフルエンザが猛威を振るうのは、当時とはまったく違う世界だ。人口が三倍にふくれ上がり、人々が航空機で世界を飛び回り、第三世界がいくつもの巨大都市を擁する世界、生息地を侵害された病原体保有動物が人間の生活圏に入り込み、何億もの人間と宿主動物が隣り合わせで暮らす世界、電子機器や自動車部品から救命に欠かせない医薬品までのすべてがジャスト・イン・タイムのサプライチェーンシステムで供給され、システムが支障を来せば最先端の病院でさえ機能しなくなる世界だ。

では、一世紀にわたる科学の進歩によって、私たちはこのような惨事に対応する力を身につけただろうか? 一九章でも述べたが、残念ながらその答えはノーだ。本書の初版で私たちが書いたこと―分析や対策の優先順位、将来を見すえた提言―は今もなお当てはまるし、その重要性も変わらない。だがここで重要なのは、私たちの主張は正しかったということではなく、いずれこのようなパンデミックが起こるという警鐘は、あらかじめちゃんと鳴らされていたという点だ。

では、現実はどうだろう。

インフルエンザと同様の経路で感染する新型コロナウイルスの感染を食い止めるなど、まさに風を止めようとするのと同じだ。中国政府は何億人もの国民を対象に厳格な都市封鎖を行い、韓国やシンガポールは感染者や接触者を特定する取り組み―アメリカにはこれが圧倒的に欠けていた―を実施したが、それも感染の拡大を鈍化させることしかできなかった。感染の拡大を阻止する唯一の手段は有効なワクチンの接種だが、あいにくそんなワクチンなどなかったし、ワクチン開発を一から始めるとなれば、何カ月も、あるいは何年もの歳月がかかる。

どのようなパンデミックでも、重要なのは強力なリーダーシップであり、大統領や国のトップの最大の責任は、国民に正確な最新情報を伝えること、それも下心のある政権の回し者ではなく、公衆衛生の専門家が提供する情報を伝えることにある。聞かれたことがわからなければ、今はわからないが調査中だと答えたほうが、耳ざわりのいいことを言った挙句に、後で矛盾する情報が出てくるよりずっといい。大統領が真実を語ることを放棄すれば、国民はだれを信じていいかわからなくなるからだ。いくつもの調査が繰り返し明らかにしているように、伝えられる情報が正しく率直なものであれば、国民はパニックに陥ることなく協力しようとするのだ。

二〇二〇年一月二〇日、ミネソタ大学感染症研究・政策センター(CIDRAP)は新型コロナウイルスの感染特徴に基づき、この感染症はパンデミックを引き起こすと明言した。それなのになぜ世界保健機構(WHO)は、三月一一日までパンデミックを宣言しなかったのだろうか? おかげで多くの国のリーダーや関係機関は、このウイルスはまだ十分封じ込められると思いこみ、結局、感染拡大の抑制や対策を考える重要な計画プロセスを不必要に妨害することになってしまった、と私たちは考えている。このような混乱や議論を見れば、新たに凶悪な敵が出現した際、そのリスクを評価する効果的な方法が必要であることは明らかだ。

まず考えるべきは、世界がこの危機に陥った原因だろう。たいていの災害と同様にこの危機が生じたのも、いくつかの要素が集中した結果に他ならない。特に、SARSの発生から二〇年近く経った今日、世界が中国の製造資源に極度に依存するようになっていたことが持つ意味は大きい。

今日の私たちの生活は、製造もサプライチェーンも物流も、すべてがジャスト・イン・タイム方式で回っている。したがって、湖北省や広東省の工場が感染症の流行で閉鎖すれば、最新型のテレビやスマートフォンが届かなくなるのはしかたない。しかし病院の救急救命用カートにあるべき医薬品や、何百万もの慢性病患者の生活を維持するための医薬品、さらには感染者に接する医療従事者を守る個人用防護具(PPE)までが手に入らないとなれば、それはまた別の話だ。

この驚くべき統計データについて考えてみてほしい。一八章でも詳しく述べたが、二〇〇九年に発生した新型インフルエンザ・パンデミックの直後、CIDRAPは病院の薬剤師や集中治療室および救急診療部の医師を対象に全国的な調査を実施し、アメリカのさまざまな疾患の患者に頻繁に利用されている医薬品、とりわけそれがなければ多くの患者が数時間で命を落とす医薬品一五〇以上を特定、そのすべてがジェネリックであり、薬自体や含有されている有効成分の多くが中国かインドで製造されていることを明らかにした。そして今回の新型コロナウイルスの流行が始まったとき、そのうちの六三の医薬品はすでに、薬局がすぐには取り寄せられない、あるいは平時から品切れが続いているという状態だった。だがこれは、私たちの医薬品供給体制の脆弱さを示す一例にすぎない。もし感染の拡大や隔離措置によって中国の工場が操業を停止し、輸送の停滞や輸出の禁止が起これば、西欧の病院の救急救命用カートは空っぽになり、最先端の高度医療を提供する大都市病院でさえ、何もできなくなる。つまり、コストが低く効率のいい中国の製造業に依存しすぎた結果、その二次効果として多くの命が、今回の新型コロナウイルスや将来のパンデミックで失われることになるのだ。

また、現代の医療制度ではほとんどの病院が経済的苦境にあるため、保護マスクやN95マスクなどの個人用保護具の備蓄は数量的に限られている。だが、患者のケアを担う医療従事者たちを守ることができずに、どうやって殺到する患者に対応しろというのだろうか。医療機関は平時でさえ、すでに過剰負担に喘いでいるのだ。医療従事者が置かれた状況は、今回の危機、そして将来生じる危機に私たちがどう対処したかを測る歴史上の物差しでもある。どのようなときでも医療従事者を全力で守らないと、彼らはたちまちのうちに医療の提供者から医療を受ける患者となり、すでにひっ迫している医療現場の負担はさらに増すことになる。

中国の都市が何カ月間も封鎖され、私たちがすぐにでも欲しい物資が供給されなくなるなどということは、世界の誰も予想さえしていなかった。だがあいにく、今日の現実を考えればそんな言い訳は通用しない。したがって、このような危機の再発を防ぎたいと本気で考えるなら、各国政府は重要な医薬品、物資、機器の製造拠点を広く分散させる取り組みを国際的に進めていく必要がある。いわばこれは、一種の保険なのだ。保険会社は災害を防いではくれないが、被害の緩和はしてくれる。

しかしそんなことをすれば、コストがかかるのではと心配する向きもあるだろう。もちろんコストはかかる。しかし、パンデミックが発生したときに万全の対応をするには、こうするしかないのだ。たとえ工場の操業停止や注文のキャンセル、隔離措置が日常的になっても、医療に不可欠な製品すなわち、薬品や注射針、注射器はもちろん、生理食塩水バッグといった基本的な製品までのすべてを製造、流通させる手段は確保しておく必要があるのだ。

製造能力を強化し、製造施設を全世界に分散させることに加え、民間に有効なビジネスモデルがない新薬や抗生物質の開発に政府レベルで多額の投資を行うことも重要だ。緊急時にのみ必要な医薬品のために何十億ドルも投資することを民間企業に期待するのはさすがに無理だからだ。二〇一四年から二〇一六年にエボラウイルス病が流行した後、政府の要請によってワクチン開発の動きが盛んになったことがあった。新興感染症のワクチン開発を振興、加速して、流行地域の人々が開発されたワクチンを利用できるようにするべく、国際的なイニシアティブを通じて感染症流行対策イノベーション連合(CEPI)が結成されたのだ。このとき、エボラワクチンの開発は進展したが、そのせいで他のワクチンの開発はほとんど進まず、感染性の病原体がすでに蔓延して手遅れになるまで、ワクチンの商業市場はほとんど生まれなかった。また、このような感染症の多くは、世界でもワクチンや医薬品の購買能力が最も低い地域に出現するため、特定の分野の医薬品の研究、開発、流通には、通常とは異なるモデルが必要なことも明らかだ。唯一の解決策は、政府の助成金と購入保証だが、これにはかなりのコストがかかる。だが長期的に見れば、人命を救うというメリットはそのコストを大きく上回るはずだ。

問題は、公衆衛生のことになると、私たちは長期的な視点を失うという点だ。だがこの姿勢は変えていかなければいけない。また、国際協力も必要となるが、これはパンデミックの危機におけるひとつの希望にもなりえる。さまざまな違いはあっても、私たち全員が運命共同体なのだという地政学的認識を得るきっかけとなるかもしれないからだ。

だからこそ、感染症の流行に関するすべての決断はエビデンスに基づいていなければならないのだ。新型コロナウイルスが世界的なパンデミックになったとき、ヨーロッパからアメリカへ来る航空便を減らしたことで、新規感染者数の増加傾向が鈍化、または減少しただろうか? たとえばエボラウイルス病やSARSは、発症後数日経たないとウイルスが他者に感染しなかったが、インフルエンザウイルスや新型コロナウイルスは発症する前どころか無症状でも他者を感染させるのだ。こういった新型コロナウイルスの特徴を考えると、横浜港に停泊していた大型クルーズ客船、ダイヤモンド・プリンセス号の乗客と乗員の船内隔離は、残酷な人体実験のようにも見える。船内で隔離されていた人々は、健康な人も感染者もともに、船内を循環させた空気を吸っていたからだ。結局この隔離対策は、ウイルスの感染力の強さを証明しただけだった。

公的な意思決定をするときは、特定の疾患およびその決定の対象となる人々の特質に重点を置くことが重要だ。たとえばインフルエンザの場合、流行初期の学校閉鎖が有効であることはすでにわかっている。そのため新型コロナウイルスのパンデミックが始まったときも、学校が地域の感染拡大源になるというデータもないまま、多くの国が学校を閉鎖した。しかし感染症の流行やパンデミックが始まったばかりのこの時点では、子どもたちを在宅させるより通学させるほうが感染率が高くなるという証明がないかぎり、学校を閉鎖すべきではない。早い時期に新型コロナの流行を経験した二つの都市、香港とシンガポールはどちらも迅速かつ効率的に対応策を講じたが、その対策は正反対だった。香港は学校を閉鎖し、シンガポールは閉鎖しなかったのだ。だが結局、両都市の感染率に特段の違いは見られなかった。また、公共政策上の決定については、二次的な影響も考慮しなければならない。多くの場合、学校が閉鎖して子どもが家で過ごすとなると、その世話のために祖父母がかり出される。しかし新型コロナウイルスに感染したとき圧倒的に重症化しやすい彼ら高齢者こそが、できるだけ潜在的感染者から隔離し、感染リスクを抑えるべき人たちだ。

もうひとつ例を挙げよう。多くの医療施設では、看護師の最大三五パーセントが学齢期の子どもを持ち、そのうち最大二〇パーセントは、預ける場所がなければ仕事を休んで家で子どもの世話をしなければならない。つまり学校を閉鎖すると、ひっ迫した医療現場にとって非常に貴重な看護師の二〇パーセントが失われる、それも感染症が彼らの命を奪っていくより先に失われるのだ。いずれにせよこのような問題は、その影響も含めた全体を慎重かつ完全に吟味する必要があり、そこが大きな課題でもある。

私たちは国の安全保障や防衛に年間何十億ドルもの予算、それも一回で何年にもわたる予算を費やしているが、国の安全を脅かす最大の脅威、すなわち感染症を引き起こす致命的な微生物の脅威のことは忘れがちだ。また、人間相手の戦争では、戦場に出向いてから、設計や建造に何年もかかる航空母艦や兵器システムを慌てて航空関連企業に注文するなどという無謀なことはしないし、消防隊が常時待機していないかぎり、大規模な飛行場を運用することもしない。たとえ消防隊が必要になることなどほとんどなくてもだ。

けれど病原体という最強の敵との戦いでは、私たちはそんな無謀なことを繰り返している。そのうえいったん脅威が過ぎ去れば、次に危機が訪れるまで、なぜかそのことを忘れてしまうのだ。また、政府だけでなく、企業もメディアも国民も、やがて訪れる微生物の脅威に真剣に向き合おうとはしない。誰かがなんとかしてくれる、と皆が思い込んでいるのだ。その結果、私たちは哀しいほどに、いざというときの備えができていない。脅威に備えた投資もなければ、リーダーシップもなく、国民の意志もない。だから世界は何かが起きるたびに、多大な代償を払ってきたのだ。

では、一三章でも述べたように、もし私たちがSARSの大流行を将来訪れる危機の前触れと捉え、その経験を教訓にしていたらどうだっただろうか?

もしそうしていれば、私たちはSARSのコロナウイルス用ワクチン開発に真剣に取り組んでいただろう。そのワクチンが今回の新型コロナウイルスに効いても効かなくても、ワクチン開発を進めたことで基礎研究もウイルスの理解も進展し、コロナウイルスワクチン開発の〝基盤〞ができていたはずだ。たしかに、未知の感染症Xが突然流行したとき、つねにワクチンがあるとは限らない。だがそのことと、公衆衛生担当官たちが怖れる将来のインフルエンザ・パンデミックを混同してはいけない。インフルエンザ・パンデミックは、予測がつき、そのための準備が可能な脅威だからだ。二〇章でも説明したように、必要なのはユニバーサル・インフルエンザワクチンとも呼ばれる、革新的(ゲームチェンジング)なワクチンだ。これは、ほとんどの型のウイルスに有効なワクチンで、従来のワクチン、すなわち次のシーズンに流行するウイルス型の予測に基づいて毎年作られ、効果にもばらつきがある従来のものとはまったく違うワクチンだ。そんなワクチン開発には、マンハッタン計画並みの付随コストを伴う取り組みが必要だが、復興に何十年もかかるような医療的、経済的大災害から多くの人命と人類を救う方法は、これ以外には考えられない。

西アフリカでエボラウイルス感染症が流行した直後、国連、世界保健機構、全米医学アカデミーなどの組織や、ハーバード大学グローバルヘルス研究所とロンドン大学衛生熱帯医学大学院の共同研究チームは綿密な調査と分析に基づく多くの報告書を作成した。報告書はどれも、初期段階での連携の欠如と問題の重大さに対する認識の欠如を指摘し、次回の流行への対応策として、同様の戦略と手続きを提言していたが、残念なことに、そのような提言で採用されたものはほとんどなく、これらの報告書はその後、たなざらしとなっている。その結果私たちはいまだに、前回の流行の初期段階の状態からほとんど前進できずにいるのだ。

将来訪れる パンデミックに立ち向かうには、今後どのような事態が生じ、その時に備えて何をすべきかを創造的に想像する力が求められる。たとえば医療や政府の機能を継続させながら、企業活動も継続させるためのプランニングも必要だし、患者の救命に必要な医薬品や呼吸器、医療従事者のための個人用防護具を備蓄する国際的な戦略も重要だ。またアメリカも、自国のためにこれと同様の物資を現実的な数量―私たちが今、新型コロナウイルスとの戦いで利用できる物資ははなはだ不十分だ―備蓄しておく必要がある。さらに、患者が急増した時に備えて、病院やクリニックの収容能力を即座に拡大する計画を立てておくことも大事だ。たとえば駐車場にテントを張れば、新たな感染症が疑われる患者を通常の通院患者と分け、必要に応じて隔離することができる。

新型コロナウイルスのパンデミックは病や死、混乱、経済的損失などさまざまなものをもたらした。だが、私たちがこの経験から学ぶことなく、将来への備えを怠り、この危機を〝無駄〞にしてしまったら、それこそが最大の悲劇だろう。歴史を見てもわかるように、大規模な感染をもたらす特定の微生物やウイルス株はおそらく次回も、私たちの虚を突いてくるだろう。しかし、必要だとわかっている計画や資源を準備しないままその事態に陥るとすれば、それは私たちの恥、私たち自身の責任だ。

今、世界のどこかにいる危険な微生物が、明日は世界中に広がるかもしれないということを私たちは決して忘れてはいけない……。そのことについて書いたのが、本書である。

[書き手]マイケル・オスターホルム,マーク・オルシェイカー
史上最悪の感染症: 結核、マラリアからエイズ、MERS、薬剤耐性菌、COVID19まで / マイケル・オスターホルム,マーク・オルシェイカー
史上最悪の感染症: 結核、マラリアからエイズ、MERS、薬剤耐性菌、COVID19まで
  • 著者:マイケル・オスターホルム,マーク・オルシェイカー
  • 翻訳:五十嵐 加奈子,吉嶺 英美,西尾 義人
  • 出版社:青土社
  • 装丁:単行本(387ページ)
  • 発売日:2020-08-26
  • ISBN-10:4791772989
  • ISBN-13:978-4791772988
内容紹介:
リチャード・プレストン氏(『ホット・ゾーン』著者)推薦
COVID-19、エボラ、MERS、ジカ熱の流行で明らかになったように、我々は未知のウイルスに対する準備が十分にできていない。これらの敵から身を守るために私たちができること、そしてしなければならないことは何だろうか? 気鋭の疫学者とノンフィクションライターが綴る、今ここにある危機。

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