『今日から理系思考! 「お家にある材料」でおもしろ科学の実験図鑑』(原書房)

まだまだ続きそうなステイホーム。
子どもと過ごす時間が多いのはいいけれどさすがにネタ切れ。そんな少々バテ気味のパパとママに救世主！
世界で300万人のファンを持つ人気実験動画サイトが本になりました。
〈THEDADLAB〉（ザ・ダッド・ラボ）はロンドン在住の2児のパパが、自分の子どもたちをお家で楽しませようと考案した科学実験を紹介した動画サイト。
いまや世界で300万人以上のファンをもつ人気サイトに大成長し、Appleやドリームワークス、レゴ社といった世界のクリエイティブ企業ともパートナーシップを組むほどに。
材料はお家にあるものでOK。
やり方簡単。手順も直感的にわかる。
平均所要時間たった15分（最短は5分）。
子どもウケ抜群。インスタ映えもバッチリ。
大注目のサイトのなかでも特に人気の高かった40の実験を選りすぐったのが本書『今日から理系思考！「お家にある材料」でおもしろ科学の実験図鑑』です。
その一部を公開し、人気の秘密をお教えします。

親子でやるからおもしろい科学実験

ぼくはセルゲイ・ウルバン、マックスとアレックスの父親です。2歳ちがいで同じ日に生まれたからでしょうか、ふたりはとてもよく似ています。いつも同じおもちゃで遊びたがるんですよ！

ぼくもマックスもアレックスも、いろんな遊びや実験を考えたり、簡単な工作や教育玩具（これは〈The Dad Lab〉でも扱っています）で遊ぶことが大好きです。でもぼくは科学者でもなければ教師でもありません。ただの専業の父親です。

そんなぼくは、お子さんたちの知識欲をかきたて、同時にその好奇心をさらによく理解するための、家でできる創意豊かな実験や遊びをできるだけ多くの親御さんたちと共有して、お子さんと過ごす時間をより充実したものにする一助になればという思いから、〈The Dad Lab〉を立ち上げました。
このアイディアは、ぼくが父親になったときにふと思いつきました。でも大それたことを考えていたわけではありません。それでもぼくがYouTubeに投稿した動画は、世界中のみなさんからたくさんの〈いいね！〉をいただきました。

この本には、ぼくとふたりの息子たちが楽しく実験している写真が載っていますが、だからといって男の子向けの本だとは思わないでください。〈The Dad Lab〉の実験は女の子だって存分に楽しむことができます。この本の目的は、性別も文化も年齢も超えて科学する心を育むことにあります。

〈The Dad Lab〉での活動を紹介した動画はwww.thedadlab.comやフェイスブック、インスタグラム、そしてYouTubeで見ることができます。みなさんもハッシュタグ#TheDadLabを使って、お子さんたちとの楽しい実験を共有してみてください。

お家にある材料で思い立ったらできる科学実験

正直言って、親業に自由な時間はあまりありません。なのでぼくは、〈The Dad Lab〉の実験は家にあるものを使った、子どもたちもぼくも必ず楽しめる実験にしようといつも心がけています。そして特別な知識や技術なんか要らないことを大前提にしました。
とにかく、みなさんがお子さんの—息子さんであれ娘さんであれ、そして何歳であれ――創造性を育み、これから紹介する実験にみなさんなりの工夫を加えてくれるようになることを願っています。でも必ずみなさんもいっしょにやってくださいね。
〈The Dad Lab〉では何百もの実験を息子たちといっしょにやってきましたが、この本ではそのなかのベスト40を取り上げています。

お子さんたちに科学と芸術の手ほどきをすることが〈The Dad Lab〉の目的ですが、それよりも何よりも一番重要なのは、ご家族との楽しい時間の過ごし方を提案することです。
思い出づくりにしてもいいですし、親子の絆を深めてもいいですし、もちろんただいっしょに過ごすだけでもいいんです。

この本はシーン別に6つの章に分かれています。それぞれの実験にかかる時間もさまざまなので、ちょっと手が空いたときにできるものも、腰を据えてやるものもあります。キッチンにあるものを手に取ってすぐできるものもあります。しかも全部家のなかやお庭やベランダでできるものばかりです。

科学で一番大切なことは「疑問を持つこと」

自分は科学のことなんか知らないから、科学実験なんかやらないほうがいいんじゃないか—―そう考えている親御さんは多いと思います。
でも〈The Dad Lab〉の実験は科学のことを全然わかっていなくても全然問題ありません。
だって科学で一番大切なことのひとつは答えを知ることではなくて疑問を持つことなのですから。
知らないからこそ、お子さんといっしょに「もし○○したらどうなるんだろう？」と考えることができるのです。
どうしてそうなるのかという理由（科学的法則とかです）をちゃんと理解する必要なんかありません。そもそも科学者だって科学のすべてを知っているわけではありません。
お子さんに訊かれても「わかんない」と答えたっていいんです。でもそのあとに「いっしょに考えてみようか？」って言いましょう。

それでも一応〈どうしてこうなるの？〉というかたちで理由は説明してあります。そしてそれぞれの実験と社会や世界との関わりについても〈さらにもうワンポイント〉で解説してあります。
娯楽というものは、科学と同じように自分の目でしっかりと確かめてこそ、その本当の意味を理解することができます。そして科学にしたって、娯楽と同じように楽しいものに決まっています。

それではみなさん、〈The Dad Lab〉を思いっきり楽しんでください！

［書き手］セルゲイ・ウルバン（2児を育てる専業の父親。家庭で教育しながら、子どもと質の高い時間を過ごす簡単で楽しい方法をシェアするために、実験動画サイト“TheDadLab”を立ち上げた。ラトビア出身、現在は妻と二人の息子とロンドン在住。“TheDadLab”は世界でファンが300万人に上り、現在はドリームワークス、サムスン電子、アップル、LEGO社とパートナーシップを結んで活躍）（黒木章人訳）