書評

『アンコンタクト 非接触の経済学』(小学館)

  • 2021/02/04
アンコンタクト 非接触の経済学 / キム・ヨンソプ
アンコンタクト 非接触の経済学
  • 著者:キム・ヨンソプ
  • 翻訳:渡辺 麻土香
  • 出版社:小学館
  • 装丁:単行本(318ページ)
  • 発売日:2020-09-09
  • ISBN-10:4093887845
  • ISBN-13:978-4093887847
内容紹介:
コロナは一つのきっかけにすぎなかった! 断絶する社会。広がる不安。それでも我々は「つながり」を求める。その手段こそアンコンタクトである。握手も接待も会議も不要な時代の働き方と… もっと読む
コロナは一つのきっかけにすぎなかった!

断絶する社会。広がる不安。それでも我々は「つながり」を求める。その手段こそアンコンタクトである。

握手も接待も会議も不要な時代の働き方とは?
面倒なコミュニケーションから便利な断絶へ。
政治、経済、恋愛、全ての常識は刷新される。

コロナウイルスは一つのきっかけに過ぎなかった。
移動・対面を禁じられた人類は新たなステージへ。

〈私たちが新たな変化やトレンドを知らなければならないのは、変化の中でしっかりと身を立てるためである。変化の方向と正体を知れば、不安も恐れも感じることなく変化に対応できる〉――本書より

◎内容
単なるソーシャルディスタンスにあらず/「マスクキス」という愛し方/2032年の仮想セックス/接待はいらない/メルケルが握手を拒否された理由/テレワークは生き方を変える/ロケーション・インディペンデント/診療所も葬儀もドライブスルー/声なきショッピングとは/来るべき大量リストラ/自分だけのアジト/本物と偽物の区別がなくなる/強い絆より弱い絆/申し訳なさが消える時代/来たるべき新たな差別/宗教家はユーチューバーを目指す?/人が人を統制する時代は終わった……

【編集担当からのおすすめ情報】
韓国で大反響。7万部のビジネス書が緊急上陸!

著者出演PVは下記よりご覧になれます。
https://www.youtube.com/watch?v=EUPJU_ATotQ

不安が加速させる「便利な断絶」

このコロナ禍で制限されたのが移動と接触だ。だが、その双方は、コロナ前から、様々な技術革新によって改められようとしていた部分でもある。わざわざ行かない、わざわざ触れない方法が望まれてきた。

韓国のトレンド分析専門家がコロナ禍で記した本書は、アンコンタクト(非接触)の可能性を追求する。「コンタクトとアンコンタクトを織り交ぜながら、より安全で便利につながって生きていきたい」という欲求を強めていた社会に、いきなり「不安」が加わった。「便利」と「不安」は対極に位置するはずが、今、この二つが近接している。

トランプ大統領は、握手=接触によって攻撃的な態度を示してきた。手に力を込めて引き寄せることで、自分の肘を「L字型」に保ちつつ、相手の肘を伸ばす。この構図が写真に載れば、優位に立っている印象を伝えることができる。対面によって生じるコミュニケーション全般をわずらわしく感じ、「便利な断絶を選択する」人たちも増えてきた。とある日本のアパレルブランドでは「声掛け不要」バッグを店頭に置いている。近づかないで欲しい、という意思表示すら直接的にはしないのだ。

アンコンタクト社会では、「似た者同士」の人間関係が強化される。韓国では、感染拡大によって高級ホテルの宿泊客が大幅に減少したが、「別室」「個室」と呼ばれるプライベートルームの予約は急増した。大多数の場を拒否し、「徹底的に少数を管理する」場が不安を払拭する場として機能した。

「アンコンタクト技術は、はなから感情が介入する余地をなくしてくれた」「サービスを受けるにあたって、申し訳なさを感じるのは面倒だ」と分析する著者は、従来の移動・接触・対話を否定的に捉える向きも強く、首肯できない論点もある。だが、コロナ禍での「不安」がいかに非接触を欲し始めたか、その刷新を事細かに知ることができる。
アンコンタクト 非接触の経済学 / キム・ヨンソプ
アンコンタクト 非接触の経済学
  • 著者:キム・ヨンソプ
  • 翻訳:渡辺 麻土香
  • 出版社:小学館
  • 装丁:単行本(318ページ)
  • 発売日:2020-09-09
  • ISBN-10:4093887845
  • ISBN-13:978-4093887847
内容紹介:
コロナは一つのきっかけにすぎなかった! 断絶する社会。広がる不安。それでも我々は「つながり」を求める。その手段こそアンコンタクトである。握手も接待も会議も不要な時代の働き方と… もっと読む
コロナは一つのきっかけにすぎなかった!

断絶する社会。広がる不安。それでも我々は「つながり」を求める。その手段こそアンコンタクトである。

握手も接待も会議も不要な時代の働き方とは?
面倒なコミュニケーションから便利な断絶へ。
政治、経済、恋愛、全ての常識は刷新される。

コロナウイルスは一つのきっかけに過ぎなかった。
移動・対面を禁じられた人類は新たなステージへ。

〈私たちが新たな変化やトレンドを知らなければならないのは、変化の中でしっかりと身を立てるためである。変化の方向と正体を知れば、不安も恐れも感じることなく変化に対応できる〉――本書より

◎内容
単なるソーシャルディスタンスにあらず/「マスクキス」という愛し方/2032年の仮想セックス/接待はいらない/メルケルが握手を拒否された理由/テレワークは生き方を変える/ロケーション・インディペンデント/診療所も葬儀もドライブスルー/声なきショッピングとは/来るべき大量リストラ/自分だけのアジト/本物と偽物の区別がなくなる/強い絆より弱い絆/申し訳なさが消える時代/来たるべき新たな差別/宗教家はユーチューバーを目指す?/人が人を統制する時代は終わった……

【編集担当からのおすすめ情報】
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初出メディア

朝日新聞

朝日新聞 2020年11月7日

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