書評

『アダム・スミス―『道徳感情論』と『国富論』の世界』(中央公論新社)

  • 2018/02/16
アダム・スミス―『道徳感情論』と『国富論』の世界  / 堂目 卓生
アダム・スミス―『道徳感情論』と『国富論』の世界
  • 著者:堂目 卓生
  • 出版社:中央公論新社
  • 装丁:新書(297ページ)
  • 発売日:2008-03-01
  • ISBN-10:4121019369
  • ISBN-13:978-4121019363
内容紹介:
政府による市場の規制を撤廃し、競争を促進することによって経済成長率を高め、豊かで強い国を作るべきだ-「経済学の祖」アダム・スミスの『国富論』は、このようなメッセージをもつと理解され… もっと読む
政府による市場の規制を撤廃し、競争を促進することによって経済成長率を高め、豊かで強い国を作るべきだ-「経済学の祖」アダム・スミスの『国富論』は、このようなメッセージをもつと理解されてきた。しかし、スミスは無条件にそう考えたのだろうか。本書はスミスのもうひとつの著作『道徳感情論』に示された人間観と社会観を通して『国富論』を読み直し、社会の秩序と繁栄に関するひとつの思想体系として再構築する。

【名著 味読・再読】転換期の今こそ読みたい

アダム・スミスといえば『国富論』。中学や高校の教科書で出てきた「神の見えざる手」というフレーズ一発で、スミスを市場万能主義者と誤解している人にこそ読んでもらいたい。

人の本性と人の世の本質を見据え、そこから人間行動のメカニズムを解き明かした知的巨人スミス。その本領は『国富論』の17年前に出版された『道徳感情論』にあった。道徳感情の基盤なしには市場メカニズムは機能しない。ここに現在のグローバル資本主義の問題がある。

本書は『道徳感情論』から『国富論』への流れをたどり、スミスの思考の本質部分を鮮やかにえぐり出す。最良の教科書であるだけでなく、きわめて重要な洞察に溢れている。文字通り、蒙を啓かされる。
アダム・スミス―『道徳感情論』と『国富論』の世界  / 堂目 卓生
アダム・スミス―『道徳感情論』と『国富論』の世界
  • 著者:堂目 卓生
  • 出版社:中央公論新社
  • 装丁:新書(297ページ)
  • 発売日:2008-03-01
  • ISBN-10:4121019369
  • ISBN-13:978-4121019363
内容紹介:
政府による市場の規制を撤廃し、競争を促進することによって経済成長率を高め、豊かで強い国を作るべきだ-「経済学の祖」アダム・スミスの『国富論』は、このようなメッセージをもつと理解され… もっと読む
政府による市場の規制を撤廃し、競争を促進することによって経済成長率を高め、豊かで強い国を作るべきだ-「経済学の祖」アダム・スミスの『国富論』は、このようなメッセージをもつと理解されてきた。しかし、スミスは無条件にそう考えたのだろうか。本書はスミスのもうひとつの著作『道徳感情論』に示された人間観と社会観を通して『国富論』を読み直し、社会の秩序と繁栄に関するひとつの思想体系として再構築する。

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初出メディア

週刊ダイヤモンド

週刊ダイヤモンド 2016年10月29日

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