書評

『世界で最も危険な男』(小学館)

  • 2024/04/12
世界で最も危険な男 / メアリー・トランプ
世界で最も危険な男
  • 著者:メアリー・トランプ
  • 翻訳:草野 香,菊池 由美,内藤 典子,森沢 くみ子,芝 瑞紀,酒井 章文
  • 出版社:小学館
  • 装丁:単行本(370ページ)
  • 発売日:2020-09-15
  • ISBN-10:409356728X
  • ISBN-13:978-4093567282
内容紹介:
トランプ家の暗部を臨床心理学者の姪が告発アメリカで190万部、アマゾン全米総合1位の大ベストセラーを緊急出版。世界で最も危険な男はいかに生み出されたのか?臨床心理学者の姪がトランプ… もっと読む
トランプ家の暗部を臨床心理学者の姪が告発

アメリカで190万部、アマゾン全米総合1位の大ベストセラーを緊急出版。
世界で最も危険な男はいかに生み出されたのか?
臨床心理学者の姪がトランプ一族の精神病理にメスを入れる!


11月の大統領選で再選を目指すトランプ大統領。
そのトランプの兄の娘で臨床心理学者のメアリー・トランプ氏による衝撃の告発本。

メアリー氏が、「自分のおじが、どのようにして世界の安全や経済、
社会の仕組みを脅かす男になったか」を、
一族の闇の歴史に光を当ててすべてを詳らかにした。

トランプが替え玉受験で名門ペンシルバニア大学に入学したエピソードから、
父親の脱税を手伝っていた決定的証拠まで、家族だけが知る驚愕の事実が次々に明かされる。

この本を執筆したメアリー氏に対し、トランプ大統領は大激怒!
大統領の弟が出版差し止めの訴訟を起こしたが、裁判所が最終的に出版を許可した。
世界騒然の書、ついに日本発売!
♪おれは怪物くんだ 怪物ランドの王子だぞ♪ 『世界で最も危険な男 「トランプ家の暗部」を姪(めい)が告発』(メアリー・トランプ著、草野香ほか訳・小学館・2420円)を読んでいる間じゅう、あのアニメのテーマソングが頭の中で流れていた(筒美京平先生、あなたは偉大な音楽家でした。ご冥福を祈ります)。

もっとも、ドナルド・トランプはかわいげのある怪物くんとは正反対。悪の中の悪、まさに「世界で最も危険な男」である。

トランプの姪による告発本ということで、さぞかしスキャンダラスで下品なものかと思いきや、意外と内容は真っ当。他のトランプ本とはひと味もふた味も違う。

たしかに著者だから知り得たトランプ一族の暗部についても詳細に書かれている。たとえば彼らのお金に対する執着のすさまじさ。クリスマスプレゼントのセコさは、「金持ちほどケチ」という俗説を裏付けていて笑える。

だが、最も重要なのは、怪物はいかにして怪物になったのかという部分だ。著者はドナルド・トランプの兄の娘であると同時に、臨床心理学の学位を持った専門家でもある。心理学の用語はほとんど出てこないけれども、「あんなふうに育てたら、こんなふうな怪物になった」ということがリアルに描かれている。

ドナルド・トランプは自分で怪物になったわけではなかった。ドナルドの父、著者にとっては祖父が、ドナルド以上に怪物。この父トランプは、息子たちを競わせ、支配した。娘たちには何の期待もしなかったし、機会も与えなかった。男尊女卑のかたまりみたいな男だった。

威圧的な父のもとでドナルドが覚えたのは、他人を蹴落とすことで自分を優位にすることだ。いじめが大好き。自分のあやまちは絶対に認めず、必ず誰かのせいにした。ドナルドの兄で著者の父が、その最も身近な犠牲者となった(まあ、娘が書くことなので、多少の身びいきはあるかもしれないけど)。

この本、子育て本として読んでもいいかも。
世界で最も危険な男 / メアリー・トランプ
世界で最も危険な男
  • 著者:メアリー・トランプ
  • 翻訳:草野 香,菊池 由美,内藤 典子,森沢 くみ子,芝 瑞紀,酒井 章文
  • 出版社:小学館
  • 装丁:単行本(370ページ)
  • 発売日:2020-09-15
  • ISBN-10:409356728X
  • ISBN-13:978-4093567282
内容紹介:
トランプ家の暗部を臨床心理学者の姪が告発アメリカで190万部、アマゾン全米総合1位の大ベストセラーを緊急出版。世界で最も危険な男はいかに生み出されたのか?臨床心理学者の姪がトランプ… もっと読む
トランプ家の暗部を臨床心理学者の姪が告発

アメリカで190万部、アマゾン全米総合1位の大ベストセラーを緊急出版。
世界で最も危険な男はいかに生み出されたのか?
臨床心理学者の姪がトランプ一族の精神病理にメスを入れる!


11月の大統領選で再選を目指すトランプ大統領。
そのトランプの兄の娘で臨床心理学者のメアリー・トランプ氏による衝撃の告発本。

メアリー氏が、「自分のおじが、どのようにして世界の安全や経済、
社会の仕組みを脅かす男になったか」を、
一族の闇の歴史に光を当ててすべてを詳らかにした。

トランプが替え玉受験で名門ペンシルバニア大学に入学したエピソードから、
父親の脱税を手伝っていた決定的証拠まで、家族だけが知る驚愕の事実が次々に明かされる。

この本を執筆したメアリー氏に対し、トランプ大統領は大激怒!
大統領の弟が出版差し止めの訴訟を起こしたが、裁判所が最終的に出版を許可した。
世界騒然の書、ついに日本発売!

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初出メディア

毎日新聞

毎日新聞 2020年10月24日

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