書評

『6Bの鉛筆で書く』(ブロンズ新社)

  • 2024/06/06
6Bの鉛筆で書く / 五味 太郎
6Bの鉛筆で書く
  • 著者:五味 太郎
  • 出版社:ブロンズ新社
  • 装丁:単行本(160ページ)
  • 発売日:2022-02-18
  • ISBN-10:4893097032
  • ISBN-13:978-4893097033
内容紹介:
五味太郎のESSAY&PHOTO。書くこと、そして撮ること。「6Bの鉛筆で書く手紙かな」いつも五味太郎の傍らにある、6Bの鉛筆。ある時ペンで書くべき手紙を、鉛筆で書いたことにふと気づいて詠ん… もっと読む
五味太郎のESSAY&PHOTO。書くこと、そして撮ること。「6Bの鉛筆で書く手紙かな」いつも五味太郎の傍らにある、6Bの鉛筆。ある時ペンで書くべき手紙を、鉛筆で書いたことにふと気づいて詠んだ俳句です。その鉛筆で書き下ろした、作家が見てきた世界、画家だからこそ気づく人生の出来事。絵本界のレジェンドによる味わい深い文章が35篇の長短エッセイに凝縮されました。世界を旅して撮りつづけてきた写真50点を収録。
手元に置いて、時々パッと開いたページのエッセイを読み、写真を眺めるとそこに豊かな時間が生まれる。そんな本だ。48点の写真は、鍋や丸太や道に置かれた椅子など、どこにもありそうなものばかりなのに、撮影された国の暮らしがくっきり見える。著者ならではの切り取りだ。エッセイも著者ならではのものばかり。「着ぐるみ/中に熊が入っている熊の着ぐるみって面白い。中に人が入っている人の着ぐるみってのもなかなかいい。中に人が入っている熊の着ぐるみってのが最低だ。中に熊の入っている人の着ぐるみってのが危険だ」。笑いながら、考えながら思わず全文引用してしまった。

「身体/たとえて言えばレンタカーか」。えっと思い、読むうちになるほどとなる。だから、どこを開いても、いつ開いてもいいのだ。小さな文を書くのは、町内でなく脳内をぶらぶらする散歩であり、なんとなく快いし必要なんだと著者は言う。途中で誰かさんに会っての立ち話もいいとも。みんながこんな日々を送ったら、権力とか武力とかを振り回すことなく、立ち話でことを解決できるのにと思う。6Bの鉛筆で書いてみたくなった。買ってこよう。
6Bの鉛筆で書く / 五味 太郎
6Bの鉛筆で書く
  • 著者:五味 太郎
  • 出版社:ブロンズ新社
  • 装丁:単行本(160ページ)
  • 発売日:2022-02-18
  • ISBN-10:4893097032
  • ISBN-13:978-4893097033
内容紹介:
五味太郎のESSAY&PHOTO。書くこと、そして撮ること。「6Bの鉛筆で書く手紙かな」いつも五味太郎の傍らにある、6Bの鉛筆。ある時ペンで書くべき手紙を、鉛筆で書いたことにふと気づいて詠ん… もっと読む
五味太郎のESSAY&PHOTO。書くこと、そして撮ること。「6Bの鉛筆で書く手紙かな」いつも五味太郎の傍らにある、6Bの鉛筆。ある時ペンで書くべき手紙を、鉛筆で書いたことにふと気づいて詠んだ俳句です。その鉛筆で書き下ろした、作家が見てきた世界、画家だからこそ気づく人生の出来事。絵本界のレジェンドによる味わい深い文章が35篇の長短エッセイに凝縮されました。世界を旅して撮りつづけてきた写真50点を収録。

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初出メディア

毎日新聞

毎日新聞 2022年4月9日

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